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 6時半起床。こう連日好天が続くと、毎日ついついがんばってしまう。
 7~8時台にはこのステイのドキュメントを黙々と進めて、ついに前日までのログ、画像、それらの統合まで終えることができた。あとは微調整をして、ブログにアップロードできるところまで来ている。
 9時台には、この日の旅のスケジュールを考える。「大須商店街」でモーニングセットを食べて、そのまま商店街周辺を見て回るとしようか。その先は考えがまとまらないので、歩きながら考えよう。

 10時前に出発し、東別院の交差点から初めて、大津通りを北へと歩いて行く。
 地下鉄上前津駅の少し先のほう、「大須万松寺通商店街」のアーケードに入ったところにある「松屋コーヒー本店 カフェ ル・パン大須店」に入り、今回の旅で初めてのモーニングセットを食べる。
 アメリカンコーヒー440円に3種類のモーニング・メニューから小倉サンド・フルーツ・ サラダのBモーニングをチョイス。へえー、これが440円でイケちゃうわけ? すごいんだねえ、名古屋。
 ただ、サンドは作り置きでやや乾き始めていたし、生野菜にはフレッシュ感がなく、フォークでパリッとしないサニーレタスを捉えて口に運ぶのがうまくいかない。箸が欲しいところだ。
 一方、カウンターが広々としていてせせこましいところがないのがいい。ゆったりとした気持ちで持参した「日本の異界 名古屋」(清水義範著、ベスト新書、2017)を読み始めたが、名古屋に居ながらにして名古屋に関する評論を読むのはなかなかオツなもので、これがまた面白い。きりがないので、11時を期して退店する。

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(大須万松寺通商店街)

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(松屋コーヒー本店 カフェ ル・パン大須店)

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(「カフェ ル・パン大須店」のモーニングセットはこれで440円)

 モーニングセットを食べた程度では夜までもたないので、早めの昼食としてもう1軒、鉄板スパを食べよう。昭和の喫茶店で生まれたレトロな大衆派スパゲティで、熱々の鉄板皿にケチャップで味付けたスパゲティを盛り、まわりに溶き卵を流し入れたものだ。スパゲティ専門店ではなく、主に喫茶店で食べられている。具は赤いウインナーに玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム、グリーンピースが王道で、「イタリアン」、「鉄板ナポリタン」「イタスパ」などとも呼ばれているという。
 朝のうちにパソコンで調べて、本日のルートも考慮して地下鉄矢場町駅近くの「やば珈琲栄店」に目星を付けていた。すんなりと入店し、カウンターで注文を済ませ、外のテラス席に陣取ってみた。
 鉄板ナポリタン(昔ながらのナポリタン)Sサイズ、715円。こういうものは薄味では絶対においしくない。ここのはもちろん薄くなく、かといってべちゃに濃いわけではなく、奥深いコクがあって、日本的ナポリタンの王道を行っている味がする。Sサイズならモーニングセットとダブルでいっても腹に負担がかかることはなさそうだ。
 テラス席は春の気候がとても心地よい。ここでも本を読んでしばらく寛いでしまった。あまり動かず、定点で豊かな時間を過ごす。こういうのがシティライフの流儀のひとつなのだろうな。

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(やば珈琲栄店)

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(「やば珈琲栄店」の鉄板ナポリタン。名古屋のスパゲティはどれも当たりだ)

 久屋大通りを挟んで「やば珈琲栄店」のすぐ向かい側にある「久屋大通庭園フラリエ」へ。
 入園無料の花公園で、6つのテーマガーデンを中心に散策することができ、グルメ、ショッピングのほかイベントや各種教室などがおこなわれ、都会の中で自然を感じながら過ごせる庭園になっている。この日は土曜日で陽射しも柔らかく、外で散策するにはもってこいの日だ。混んではいないが適度に人がやってきて、ベンチで食事をしたり、花の写真を撮ったりしていた。日陰にいると寒いぐらいだが、日向で涼しい風を浴びているととても爽やかだ。

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(「久屋大通庭園フラリエ」のエントランス)

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(内部はこんな感じ)

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(きれいな花々が陽光に映える)

 「大須万松寺通商店街」に戻って、「万松寺」へ。
 織田信長の父信秀の菩提寺として建立され、名古屋城築城の際の1610年に現在の大須に移されている。今ではおよそ寺院らしくない、都会ならではの外観だ。
 信長が父の葬儀で抹香を投げる場面と、桶狭間合戦出陣前に「幸若舞」を舞う場面を演ずる「からくり人形」が設置されていること、そして、2017年にリニューアルオープンした「白龍館」では音・水・光のダイナミックな映像演出が飛び出すことをあとで知り、見逃したことを残念に思ったところ。ここは人が多かった。

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(寺院らしくない「万松寺」)

 「大須万松寺通商店街」、「東仁王門通り」、「大須仁王門通り」、「大須観音通り」と、際限ないほどにある商店街を歩く。日本一元気な商店街といわれているらしい。家電店から古着屋、グルメまで、あらゆる業種の店が軒を連らねていて、多くの人たちで賑わい、活気にあふれていた。

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(東仁王門通り)

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(大須仁王門通り)

 その中にあった「大須演芸場」。中京圏では唯一の寄席として知られていて、毎月1~7日には定席寄席公演があり、コロナの今も元気に公演しているようだ。
 2014年に一度閉館となったが、大須と芸能を愛する強い気持ちの同士が新たに集い、大改修工事を経て翌年新生「大須演芸場」が開場したという。
 この日は「太閤記続き読みの会(特別編)「桶狭間の戦い」」があり、旭堂鱗林(女性講談師)の大ファンで東京から来たという老年男性が、コロナ対策のため客数制限をしているところになんとか自分一人を入れろと食い下がっていたが、断られていた。

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(大須演芸場)

 次は、名古屋駅から東海道線で清州に行き、「清州城」を見る。
 12時過ぎの普通列車で2駅目の清州で降り、駅から線路沿いを片道15分以上も歩いて「清洲古城跡公園」へとたどり着く。
 予習によれば「清洲城」は、1405年、尾張国守護職の斯波義重が、守護所だった下津城(稲沢市)の別郭として建てたのが始まり。1555年には織田信長が那古野城から入城し、1560年の桶狭間の戦いに勝利し、ここ清須から天下統一への第一歩を踏み出した城として知られている。現在の清洲城天主閣は1989年に建造されたものだ。

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(JR清州駅からてくてくと歩いて行く)

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(「清洲古城跡公園」の「信長公顕彰への道」)

 古城跡公園内の「信長公顕彰への道」を進み、本線と新幹線の線路を挟んで反対側の「清州公園」へ。
 清州公園内には「織田信長・濃姫像」があった。しかと前を見据える信長は何を見つめているのだろうか。その左脇ではこぢんまりとした濃姫(のうひめ。信長の正室で斎藤道三の娘)が、そんな信長を手をこまねいてたおやかに見守っているのだった。
 それにしてもここは、頻繁に列車が通って賑やかなところだ。さしもの信長も、清州の地が後々こんなことになるとは思ってもいなかっただろう。

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(「織田信長の像」。何を見つめるのか、信長)

 五条川に架かる「大手橋」を渡って、清州城へ。城の手前の壁は“信長塀”、中の庭園は“砂庭式枯山水”。城は入館料がいるので中には入らなかったが、甲冑のコレクションをしている「芸能文化館」の付随しているのだった。

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(「清州城」の1)

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(「清州城」の2)

 また歩いて清州駅まで戻り、次は、「孤独のグルメ」で五郎さんも食べていた「台湾ラーメン光陽」に行く。ここはわざわざ行く感じだ。
 「台湾ラーメン光陽」は西区比良というところにあり、鉄道で行くなら清州と名古屋の間の枇杷島駅から城北線というローカル鉄道に乗っていくことになる。枇杷島駅で時刻表を見ると、アレマ、この時間帯は1時間に1本じゃないの。次の便まで40分近くある。やめようかとも思ったが、390円で切符も買ってしまったので、ホームで本を読んで待つ。この日は気温が低く、こうじっとしていると寒いぐらいなのだった。
 ようやく発車時間となり、乗客は3人、1駅目からは自分一人になった。

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(城北線のディーゼル車両)

 比良駅で下車し、スマホを頼りに歩きつつ、「光陽」では何を食べようか考える。五郎さんは、台湾ラーメン、ピリ辛にんにく炒飯、酢鶏のハーフと大量に食べていたが、自分にはそんなには無理。酢鶏は普段はハーフにしてくれないようなので、大ぶりの鶏肉が5個のレギュラーサイズの酢鶏と瓶ビールかな。酢鶏がハーフ(3個)にできるなら炒飯だな――などと。
 そして、5~6分ほど歩いたところに「光陽」はあった。だが、ぬゎんと、普段は通し営業をしているのに、今は当局からの時短要請に応じて17~22時に限っての営業をしているとの貼り紙があった。が~ん……。わざわざ時間をかけてここまでやって来たのになあ。でも、それほど悔しくはなかったりする。つまりは消化器官がまだものを入れてくれるなという信号を脳に送っているからなのだろう。前食のカレーうどん&ライスからまだ4時間経っていないんだものな。
 それにしても、現実を語れば、東京の五郎さんが仕事でこんなただの郊外の住宅地まで来るはずがない。

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(「台湾ラーメン光陽」はあった。だが……)

 では戻ろう。だが、戻りの城北線に乗るにはまだ1時間ほどある。ああ、まったく。
 しかたなく時間つぶしのためこの界隈のメインの通りらしいところをうろついていると、バス停を発見。中心部に向かうバスはないかと時刻表を見ると、おお、あと20分ぐらいで栄行きが来る! それに乗ろう。即決。
 やってきたバスは前乗り先料金で後ろ降りというシステムで、ここから栄まで210円で連れて行ってくれる。素晴らしいぞ、名古屋市営バス。
 地下鉄ではなく、地上の町の風景を眺めながら中心部へ。バスに乗って移動をすれば、なんだか地元民に近づいたような気になれて、ちょっぴり楽しい。

 栄からは地下鉄で。ホテルそばのセブンで、ビール、弁当、つまみ類をゲットし、今日も足が痛くなるまで1万3千歩歩いて、16時半過ぎにホテル戻りとなる。

 17時からの日本水泳選手権を観ながら肉野菜炒めの弁当を食べて腹の虫を治め、その後ログ付けをして、20時頃から飲み始める。今夜はいろいろなアテを調達してきていて、キムチ、ポテサラ、コールスローがある。缶ビールの350とストロング缶チューハイの500を飲む。

 シャワーを終えて、その後に写真の加工処理をするつもりだったが、そこまで行く前に明日でいいやと思ってしまった。いいよ、明日で。
 22時半にパソコンのディスプレイを閉じる。
 横になってから本を落とすまでの時間はあっという間だ。この日は「日本にとって沖縄とは何か」を60ページ余り読んで読了した。

 6時半に起きて、いつもどおりのスタートを切る。今日もスカッとした晴れの天気だ。気温は高くないので快適そうだ。
 9時までログ付けをし、その後この日の日程を検討する。名古屋駅周辺を見て早昼食をとり、清須市の清州城を見に行き、戻る途中で「孤独のグルメ」にも登場した台湾ラーメン屋に寄って帰る、というのはどうだろうか。

 10時過ぎにホテルを出て、地下鉄を乗り継いで名古屋駅へ。
 はじめにJR名古屋駅の東口側、「桜通口」に立ってみる。すっかり近代化されて、大都会然とした街の表情だ。旧大名古屋ビルヂング跡に新しいランドマークとして誕生した「大名古屋ビルヂング」も堂々としたものだ。JR名古屋駅の真上にそびえたつ「JRセントラルタワーズ」と「JRゲートタワー」の2つの高層ビルは、2017年にオープンしたものだそうだ。
 名古屋駅の桜通口側には時計モニュメント「金の時計」があり、名古屋っ子たちの待ち合わせ場所になっている。

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(JR名古屋駅の「桜通口」)

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(時計モニュメント「金の時計」)

 そこから南方向に進み、名鉄百貨店メンズ館1階入口前にある「ナナちゃん人形」を見る。
 1973年、名鉄百貨店セブン館のオープン一周年を記念して設置された、身長6m強もある巨大なマネキンだ。改装工事のため一時撤去されたが、2007年に再設置されたという。季節に合わせて服が替わるらしく、このときはお茶の宣伝のため黄緑色だった。
 線路下を潜って、戦後は闇市が立ち賑わった場所だったという西側へ。名古屋駅の西口は「太閤口」と呼ばれていて、こちらのコンコースには「銀の時計」のモニュメントがあるのだった。

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(「ナナちゃん人形」はお茶色の服を着ていた)

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(時計モニュメント「銀の時計」)

 早昼は、エスカ地下街にて。名古屋にいるうちに一度はひつまぶしを食べておかねばイカンと思い、「ひつまぶし稲生(いのう)エスカ店」を探す。スマホを見ながら苦労してその場所まで行ってみたのだが、ひつまぶし屋なんてないじゃん。
 とうとうたどり着くことができず、近くにあったカレーうどんの店「若鯱家名古屋駅エスカ店」があったので、これも食べたかったんだよナとこちらに入ることにした。
 ちなみに、明治時代に東京で生まれて全国に広まったカレーうどんだが、名古屋周辺では独自の進化を遂げた“名古屋流カレーうどん”が普及している。本格スパイスを調合したルーはこってりクリーミーなとろみがあり、麺は極太、つゆは鶏ガラだしなのだというではないか。そして、「若鯱家」は名古屋カレーうどん界の雄として名をとっているという。これは食べてみないと。

 カレーうどん&御飯セット1,023円。
 小麦粉を入れるのか、とてもぽってりとしたつくりで好ましい。伊勢うどんのような超極太のうどん。そうか、ここ名古屋は伊勢に近いからなのか。いずれをとってもインパクト大だ。厚みのある油揚げ、ネギ、豚肉、かまぼこがトッピングされている。
 うどんを食べ終わったところでごはんを投入して食べても極旨。やっぱりカレーはごはんに合うんだよねえ。最高だった。昨晩の味噌煮込みうどんよりもこっちが好きだな。

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(若鯱家名古屋駅エスカ店)

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(「若鯱家名古屋駅エスカ店」のカレーうどん&御飯セット)

 なお、食べ終えてから改めて「ひつまぶし稲生エスカ店」を探したところ、あった。高級感を狙ってかシック過ぎる外観にしているのが仇になり、完全に見逃していたのだった。うーむ、ひつまぶし……。明日以降、どこかで食べよう。

 県民・市民から寄せられた戦争に関する実物資料を展示している「愛知・名古屋 戦争に関する資料館」にも立ち寄る。
 資料館が入っている「愛知県庁大津橋分室」は、1933年に竣工した歴史的建物で、昭和初期に流行したスクラッチタイルや手の込んだ漆喰装飾などを見ることができる。地中から発見された250キロ爆弾の実物、集束焼夷弾の模型、名古屋空襲のCG等があり、手づくり感のある内容になっている。常時放映している戦争体験ビデオ「草の根の語りべたち」も興味深く見る。入館無料なのがいい。

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(「愛知・名古屋 戦争に関する資料館」が入る「愛知県庁大津橋分室」(右))

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(いちおう展示物の一部も撮ってみた)

 そこから大津通りをさらに北に進むと、名古屋の官庁街となる。その北西は名古屋城だが、そこは日を改めて見ることにしよう。
 「愛知県庁」。一般的なオフィスビルに城郭のような屋根を載せた変わったつくりの建物になっている。ツートーンの壁の色も風変わりとしか言いようがなく、この美的センスも名古屋独特のものなのではないだろうか。近くでは「大村知事はこの建物から早く出て行ってほしい」とスピーカーを通して訴えているヒトがいた。

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(愛知県庁舎)

 県庁舎の並びには「名古屋市役所本庁舎」がある。
 1935年竣工の、名古屋市役所の3代目となる庁舎で、国の重要文化財であるとのこと。中央には時計塔がそびえ、名古屋城天守閣を意識した塔屋の屋上には四方をにらむシャチが載っているなど、名古屋城との調和を図った点が見られる。西洋的な建築様式に日本的な要素が取り込まれ、内部の廊下や階段の装飾には目を見張るものがあるといい、NHKドラマ「坂の上の雲」でも2回ロケが行われたらしい。

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(名古屋市役所本庁舎)

 「名古屋市市政資料館」。
 国の重要文化財「旧名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所庁舎」を保存・公開している。1922年に建てられたネオ・バロック様式のレンガ造建築物で、79年まで裁判所だったものを、89年より名古屋市が市政資料館として使っている。名古屋市の公文書館にもなっている。
 もともと地方ではなくお国の建物だけあって、かなり立派だ。某県が旧県庁舎を保存・公開しているが、軽くそれを凌駕している。展示物なども名古屋のほうが上だ。ここも無料で見ることができる。

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(「名古屋市市政資料館」の外観)

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(同 エントランスホールの階段)

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(同 会議室)

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(同 法廷)

 時間は14時。今日は足が痛いのであまりがんばらず、このあたりで戻ることにしよう。まっすぐ帰ってもいいが、本日の2食目はどうしようか。部屋に戻ってから夜に総菜で済ませようか。それとも、ここは少し早いけれども戻る前にどこかで食べて、夜は飲むだけにしてもいい。むしろ後者がいい。
 ということで、まだ食べていない味噌煮込みうどんを食べることにして、久屋大通駅近くの「山本屋本店桜通大津店」まで1km弱を歩いて行く。

 「山本屋本店桜通大津店」の玉子入り味噌煮込みうどん1,100円。
 ファストフード店のような店構えなのに拍子抜けしたが、味噌煮込みの最安がこれで、価格は一丁前。まあ、一度ならいいが、二度までは入らないだろうな。
 ぐつぐつとした石鍋のフタに熱々のうどんを取り分けて啜る。うどんがダレないようにとの配慮か、極硬の茹ででびっくり。ど茶色のスープにはご飯を投入して雑炊風にして食べたいところだが、あんかけスパが効いていてそうできないのが少々残念なところだ。レンゲでスープだけ飲むと、どこかに蕎麦湯のような味わいがある。たぶん、小麦だけではなく蕎麦も使っているのだろうと思う。
 途中から入ってきた太り気味タトゥー腕の若者。マスクをしていず、大声でしゃべる上に咳までブハブハやっている。こういう猿レベルの想像力しか持っていないバカってまだいるんだな。ならばこちらは急ぎ退散しよう。

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(山本屋本店桜通大津店)

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(「山本屋本店桜通大津店」の玉子入り味噌煮込みうどん)

 セブンの東別院駅南店で各種飲み物を買って、15時10分帰投。この日の歩数は11,000歩。足にはかなりのガタがきている。

 ひと息ついてテレビを点けると、なでしこジャパンの1年ぶりの国際親善試合のパラグアイ戦を中継していたので、これを観る。そして、17時からは日本水泳選手権。ぼーっとしてテレビを観るだけでは物足りないので、缶チューハイを飲み始める。外はまだ明るいんだけどな。
 空腹は十分に満たされているので、飲むだけにする。池江は100m自由形の個人としての派遣記録には届かなかったが、リレーで五輪出場となった。
 名古屋では、「バンテリンドームナゴヤ」で開催される中日ドラゴンズのホームゲームは、どこかの民放が放送しているようだ。この夜はテレビ愛知でDeNA戦をやっていたので、それにチャンネルを合わせて、撮ってきた写真の加工作業を続ける。まあ、ほとんど酔っているのでペースは遅いけど。

 22時過ぎには減速し始め、本を手にベッドに入ったが、それもすぐに落ちた。この日の読書は「日本にとって沖縄とは何か」を40ページ。ほどよく疲れている。

 尿意のため6時起床。前日に水分を摂り過ぎたのと、ホテルでは自宅のように湯に浸かって汗をかくことがないので、旅の間はいつもこういうことになる。
 冷蔵庫からペットの茶を出すと、ガシガシに凍って飲めなくなっている。あれ?昨日はそんなことはなかったのだけどな。洗面台で湯をかけて解かし、何とか飲む。

 いつもよりも1時間早く起きると余裕のある朝となって、なかなかいいものだ。
 今日も晴れ。まずは本日の日程だが、市街の中心部の栄界隈、久屋大通り周辺をのんびりと散策することにする。一番のねらいは昼にあんかけスパを食べることで、そのエリアの名店2店を把握している。地下鉄24時間券は4回以上乗らないとペイしないので、この日はいらないかな。

 出発までの時間は、ここまでに撮ってきた写真をブログ掲載用に加工する作業をして、なんとか一昨日分まで処理する。こうなると、旅をしているうちからブログに記事を公開していくことは可能なようだ。

 10時02分までなら昨日買った24時間券が使えるので、少し早く出て地下鉄で栄駅に向かう。
 まずは栄駅の北東角にある「オアシス21」を見る。
 屋上階の水の宇宙船、地上階の緑の大地、1階のバスターミナル、地下階の銀河の広場、ショップからなっている立体型公園。夜にライトアップされる水の宇宙船は人気のフォトジェニックスポットなのだという。こういう必要以上に派手なものを街の真ん中につくってしまう名古屋人はかなりの見栄っ張りなのだろうな。

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(「オアシス21」の1)

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(「オアシス21」の2)

 そのすぐ隣りは「愛知芸術文化センター」だ。
 大ホール、コンサートホール、小ホールからなる芸術文化の最大級の複合施設で、「愛知県美術館」も入っている。でっかいなあ。この時間にはイベントがないが、それでも少しの人の動きはある。地方にあるこの手のハコは公演がないと本当に無人になるものなのだけど。内部の写真を撮ろうと思った中に入ったが、構造物が大き過ぎてファインダーに入らないので撮れず。
 飲食店が開くまで少し時間があるので、しばらく「緑の大地」のベンチで本を手に休憩する。シャツ1枚で暑くも寒くもない、春らしいいい気候だ。こういう“なかゆくい”の時間が60過ぎの人間には必要なのだ。

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(愛知芸術文化センター)

 そうするうち時間は11時。よーし、メシだ。腹には今朝から固形物が入っていないから、腹が減った。
 「ユウゼン総本店」と「スパゲッティハウスそ~れ」の2店のうちから、あんかけスパ「発祥の店」としてあんスパの歴史を作った店のひとつとされる「そ~れ」をチョイスする。
 東北人にとってはなじみの薄いあんかけスパとは、和食や中華の“あん”のようなとろみとコショウの辛みがピリッと効いたソースが特徴で、極太のパスタを用い、茹でた後にラードで炒めてコーティング。具のトッピングでバリエーションを出し、ハム主体のミラネーゼ、野菜中心のカントリーを組み合わせた通称“ミラカン”が定番中の定番なのだという。「スパゲティハウスヨコイ」の創業者がイタリアの家庭料理をヒントに昭和30年代に考案。あんかけスパの呼び方が生まれたのは50年代で、「からめ亭」がTV取材の際に発言し、やがてその名称が定着した。県内には多数の専門店がある。

 「そ~れ」のミラカン900円。
 ソースの色がほんのり赤みを帯びていて見た目がとてもきれいだ。想像以上に量が多く、他の客たちも「だんだんおなかがいっぱいになってきた」と言いながら食べている。この手の店で客の多くが男性であることも、東北人にとっては極めて意外だ。
 赤いウインナー、フレッシュなトマト、薄くスライスしたタマネギなどが載っている。これはおいしい。はやる理由がよくわかる。食べ進めるにしたがって最後に多くの具材が残ってしまうのだが、これをじわじわ減らしていく作業も楽しい。
 おいしいだろうとは思っていたが、その予想を超える満足感あり。メニューには「Since1961 あんかけスパ発祥の店」とあった。

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(「スパゲッティハウスそ~れ」のミラカン)

 「名古屋テレビ塔」。
 1954年に日本で最初に建てられた集約電波塔で、国の登録有形文化財になっている。開業以来初めてとなる全体改修工事を経て、2020年9月に新たな街のランドマークとして生まれ変わったばかりだ。
 「希望の泉」前からテレビ塔を望む。900円払ってまで塔に上がることはしない。

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(地下鉄栄駅入口と「名古屋テレビ塔」)

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(「希望の泉」とテレビ塔)

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(デカくて納まらないのでナナメ撮りで)

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(タワーの“足元”はこんな感じだ)

 地下鉄久屋大通駅の真上に位置する徒歩橋のセントラルブリッジから桜通りを眺めて、「久屋大通公園」へ。
 テレビ塔周辺の改修工事を終えて、ここも2020年秋にオープンしたばかりだ。全国の人気店をはじめ、飲食・物販あわせて約35店舗が出店し、市民の日常的な憩いの場としての役割はもちろん、ファッション、スポーツ、グルメ、コミュニケーション、リフレッシュなどのサービスを提供している。すっかり弛緩して歩いていたためか、公園の写真を撮り忘れているのだった。

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(徒歩橋上から「桜通久屋西」交差点付近を望む)

 せっかくここまで来たので、ガーデンふ頭のシンボル「ポートビル」の3、4階にある海に関する博物館「名古屋海洋博物館」を見て行こう。
 3階では「日本一の国際貿易港・名古屋港」をテーマに港の役割や人々の暮らしとの関わり、名古屋港の歴史などを紹介していて、実物やパノラマ模型、港の臨場感を体験できるシミュレータもあって、「うみ・ふね・みなと」を楽しく学ぶことができる。名古屋港の港湾空間は名古屋市の面積の3分の1に匹敵する、遠浅の海を浚渫造成した人工港で、日本最大規模なのだという。
 4階展示室では、大航海時代に活躍した帆船の模型や海のシルクロードの交易品を展示。海と人々の関わりの歴史を紹介していた。

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(「ポートビル」の建物は帆船をイメージしているのだという。そうか?)

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(「名古屋海洋博物館」の展示物なのだが……)

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(「名古屋港水族館」へと続く橋から。船が動いている港はいい風景だ)

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(名古屋港水族館)

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(「JETTY」内のフードコート)

 港にいるうちに14時を回ってしまったので、今日は大須商店街には行かず、金山の駅周辺を見て帰ることにする。

 まずは、駅北口にある再開発商業施設の「アスナル金山」へ。おお、平日だというのにここは多くの若者でにぎわっている。彼らはコロナに感染しても症状がなかったりあっても軽いから、いつもの行動+マスクぐらいの感覚で行動しているのだろうな。こんな午後になっても多くの飲食店には順番待ちの客がいる。2020年春にリニューアルされていて、イベント広場を囲む地層のショッピングモールになっている。こういう状態であれば、あまり自分がいる場所ではないように思う。

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(アスナル金山)

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(金山駅前、大津通り)

 ではまあ、スマホをいじって駅地下にサンドイッチの店「コンパル金山店」を見つけたので、夕食代わりにここで名古屋名物のエビフライサンドをテイクアウトしよう。
 だがその前に、駅近くで開いている居酒屋があれば軽く飲んでいこう。へへっ、連日明るいうちから外で飲んでやんの。スマホで歩いてすぐのところに「新時代 金山駅前店」というのがあり、直前の15時にもう開けているので、ここでいいな。
 というわけで喜び勇んで入店し、中生にカレー串カツ2本とどてやきを合わせる。中生が190円という安さなのでつい2杯飲んで、2,046円也。ふーん、お通しでボッているな。でもまあ、カレー串カツなんて名古屋でなければなかなか食べられないだろうし、どてやきは価格のわりに量が少なかったがコク味噌味のつゆがうまいのだった。自分は案外このような八丁豆味噌とカレースパイスの文化の中でも平気で生きていけるかもしれない。

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(「新時代 金山駅前店」のカレー串カツ)

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(同 どてやき。ここではどて煮をそう呼んでいた)

 金山の地下街の奥まったところにあり、少しの酔いも手伝ってかなかなか見つけられなかった「コンパル金山店」にて、ようようエビフライサンド980円をゲットする。高いよなぁ。しかし、たかがサンドイッチと甘く見ていたが、お待たせしましたぁと渡されたものを持ってみれば、ずっしりと重い。夜に飲んだ後にこれを食べればもう途中のつまみはいらないだろう。

 16時15分ホテル戻り。この日は12,000歩ほど歩いた。
 日本水泳選手権が始まる17時までの少しの時間は、今朝からのログ付けをする。できるだけ遅れないように書いていかないと、だんだん溜まってくるので。
 毎日10時頃に出て、15~16時頃には戻って、夜の部屋飲みを始める前に書き物を始めるというくらいのペースがいいのかもしれない。

 18時を過ぎてから、部屋飲みを開始。飲んだ後にエビフライサンドを食べる。
 部屋で明るいうちに写真を撮ったが、断層部分を手で無理やり上に向けたので、写りは不格好だ。
 エビフライの香ばしさに加えて、卵焼き、キャベツ、バター、ソース、ハチミツの風味もあり、これは出来がいい。高いなんて言ってゴメンナサイ。

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(「コンパル金山店」のエビフライサンド)

 飲んでいる途中につれあいから電話があり、歯医者に行きたいと大騒ぎしていた施設入居している母は、散々周辺の人々を煩わせて訪問診療を受けたという。訪問診療自体についても信用ならないと騒いだらしい。結果は、まったく予想したとおりで、親不知がぐらついていて、そこに薬を打ってもらっただけで痛みは消え、入れ歯が合わないと訴えている点についてもそんなことはないということだったらしい。その程度のことで、少ない体力を浪費して病院に行くなどと騒ぐのはもうやめてほしいのだ。

 23時近くまでモノカキを続行し、本日分のログ付けを粗々ながらまとめ終える。初日からの画像の処理ができていないのでまだブログにはアップロードできていないが、もう少しだけ拍車をかければ明日以降はそれもやれるかもしれない。まあ、無理をせず、のんびりと行こう。

 「日本にとって沖縄とは何か」を30ページ読んで、眠りへ。
 この日は、初めて緊急事態宣言が発出されてから満1年となった日だった。始まったのはもっと前だから、人類は世界的にずいぶん長い間、通常の暮らしができない我慢を強いられていることになる。