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 2020年8月上旬以降同月末までに買った本は、次の6冊です。

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1 二十四の瞳  壺井栄 角川文庫 200706 古255
2 メタボラ  桐野夏生 文春文庫 201108 古575
3 沖縄の祈り  大城貞俊 インパクト出版会 202004 古623
4 家族のあしあと  椎名誠 集英社文庫 202005 古450
5 玄鳥  藤沢周平 文春文庫 199403 古299
6 凶刃 用心棒日月抄  藤沢周平 新潮文庫 200406 古257

 アマゾンから古書を6冊まとめ買い。
 3以外は文庫本、2と3が沖縄関係です。

 1は、この初夏に小豆島を訪れてインスパイアされたもの。中学生の頃に読んだように記憶していますが、内容は全く忘れているので、改めて読んでみようかと。これって買わなくても、無料のウェブ「青空文庫」で読めたのだろうな。
 2は、舞台が沖縄で、那覇市牧志のガーブ川や宮古島あたりが出てきそうな気配。
 3は、仕事を辞してこのところ多くの著書を世に問うている大城貞俊モノ。
 4は、基本文庫本は一通り読むつもりでいるシーナ本。
 5、6はデビュー当時の作品から順次読んでいる藤沢周平で、そろそろ最終コーナーを回ってラストスパートというあたりまできています。

 このところ、買い求めるものは文庫本が多くなっています。サイズの大きな単行本は、ベッドで枕元灯のもとで頭上にかざして読むには少々重く、また外に連れていくことも容易ではありません。その点文庫本であれば片手でかざせるし、持ち運びも楽チンで、カバーを付ければ外であっても汚れず、書名もわからないので、何を読もうと意のままです。

2020.09.01 20200831 月
 扇風機の風が涼しく感じられて、5時に覚醒。眠気もないので本を読み始め、6時過ぎに起床。この夜から朝にかけての最低気温は、6時前の21.8℃。こういう夜なら扇風機は就寝時1~2時間のタイマー運転でもぐっすり眠れそうだ。

 午前中は、週明けの東京株式市場に注目。総じて株価を上げている中で、とりわけ商社株が異常上昇している。しめしめとこの機に三菱商事と三井物産を多少の利益を出した形で売るが、その後もこれらの株価は午後にかけてうなぎ上りで、もう少し待ってから売ればさらに濡れ手に粟状態になったのだった。惜しいことをした。ほかに、ANAも100株売って小利益を確保する。

 小雨が降ってきて、風は北寄り。こうなると昨日までの暑さが嘘のように涼しくなる。吹き込まないように各窓をほとんど閉めて、昼の外出へと向かう。
 なお、この日の最高気温は正午過ぎの25.2℃。このぐらいならまったく暑いと感じることはなく、車旅の車中泊だってこれならば問題がないと思われる。そうか、最高25℃ならば支障なく車旅ができるのか。

 この日の昼メシは、長井で焼きそばだ。グルメブログ記事の取材も楽ではないのダ。R348が災害のため一部迂回路となっていたところが、数日前から片側交互通行になったので、その様子も見ながら向かう。

 狙った店は「桃華楼支店」。長井市内には「桃華楼」の本店と支店があって、この2店には姻戚関係がある模様。どちらにも行ったことがなく、今回は店舗前に駐車場があって入りやすい「支店」のほうを初訪問してみた。
 焼きそばの大盛り、750+100円。言ってしまえば普通のソース焼きそばだが、自宅で食べる袋物と違って麺が秀逸。角のあるシャープな形をしていて、箸で持ち上げるとぐいーんと伸びる弾力性があり、口当たりがもちもちとしていておいしい。キャベツを中心とした炒め野菜もシャキッとしていて炒め上手に仕上がっている。
 味が薄めなので、卓上のウースターソースを掛け回してぐっといい塩梅に。焼きそばはけっこう量が入るものだが、大盛りであれば不足感はない。多めの紅生姜が載り、少々の青海苔で香りづけされていたならなおよかったことだろう。ラーメンスープと漬物が添えられ、食後にはコーヒーも付いた。

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(「桃華楼支店」(長井市)の焼きそば)

 戻った午後は、柳田国男の書いたものを体系的に読んでみようと思い立ち、インターネットの無料電子図書館「青空文庫」にある柳田の公開39作品を入手するべく、それらの初出年月を調べてその順番にソートする。今後はその順番にテキストをWORDファイルに落として読み込んでいくつもりだ。
 暑くなくても眠くはなるもので、その後は涼しい自室で昼寝。汗だくで眠るよりも格段に上質な睡眠が得られることに、改めて感心する。日々の暮らしには、気温は大事なファクターなのだ。
 そして、こう涼しいのであれば、いいチャンスなので今夜はシャワーではなくぜひ風呂に入りたい。いそいそと風呂をセットして、17時過ぎには入り始める。早風呂ができるのも無職の特権だ。
 普段以上に湯に浸かるのだが、こう涼しいと発汗は限定的で、体重は入浴前の76.1kgから75.4kgへとわずか0.7kg落ちるにとどまった。すっと汗が引く風呂上りはとても清々しい。

 今夜も飲まずにさらりと食事をした後は、酔っていないのでまだ作業ができる。
 神戸市北野異人館街はスポット満載なので、どう歩くかをよく考えて、「Paint」を使って散策マップを自分でつくってみた。
 普通に暮らしていくには年間どの程度の資金が必要なのかを知るために、フリーになって以降支出管理簿を付けているのだが、この8月は遠出をせず大きな買い物もしなかったので、月間5万円ちょっとの支出で済んでしまった。毎日昼に外食を楽しんで、好きな本を12冊買い(ほぼ古書だけど)、ガソリンを2度入れてもこの程度。必要ないものは買わないが、無理に支出を抑えているわけでもない。安上がりにできているんだよナ、俺。まあ、日々飲む缶チューハイや夕食の食材などはつれあいが用意してくれているのだけど。
 柳田国男作品の年代順ソート作業も夜には終える。加えて、ウィキペディアで柳田の人物像について改めて確認し、1本目の「潟に関する聯想」をWORDへ取り込んで少し読む。

 23時で作業をやめて、寝る方向へ。この夜は扇風機要らずだ。北側の窓はすべて閉め、ベッド脇の南側の窓だけ全開にして灯りを消す。
 暴風と雨を伴う台風9号が沖縄本島、宮古島地方に接近しているようで、最大風速が70mに達すると予想されている。70m……。想像できないようなものすごいレベルだぞ、これ。大災害にならなければいいのだが。

 「短編伝説 愛を語れば」を30ページほど読んで読了。オムニバスものは読後感が軽いので物足りなさがあるが、これまでに読んだことのない文筆家が多く登場するので、ここから新たな贔屓作家が生まれることも考えられる。
 「今日もうまい酒を飲んだ」を40ページ近く読んでこれも読了。太田和彦の、本書の内容をそっちのけにした酒そのものに関する名解説のほうが強く印象に残った。この本には、自分もかつてわざわざ見に行ったことのある㈱比嘉酒造敷地内の「君知るや名酒あわもり」の碑も登場している。

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(「君知るや名酒あわもり」の碑(2015年5月))

 さらに、夜になって「ぼくの目ざわり耳ざわり」も40ページ近く読んで読了。年齢のわりには文章が洒脱でそれなりに楽しめた普久原恒勇のエッセーだったが、沖縄民謡の大御所が記すのだから沖縄音楽界の裏話や民謡に関する蘊蓄がたくさん出てくるのだろうという期待は少々裏切られた感じがする。
 ということで、読書に関してはこの8月晦日で一定の区切りを打った形となった。

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(JASRAC音楽文化賞を受賞した普久原恒勇(右)と備瀬善勝(2018年11月))

 2020年6月23日(火)。
 5時半覚醒の6時起床。広い和室での一夜はなかなか快適だった。気に入ったので、朝のうちにこの宿でもう1泊することにして、予約を入れてしまう。
 こうなると本日の活動ペースはゆったりでよい。もう少し高知市内を見て、余裕があればこの先の近隣のポイントもある程度回って、夕刻に高知市へと戻ってくればいい。
 カレーパンと野菜ジュースを朝食にして、7時過ぎからは、昨夜サボった22日分のログ付けをする。

 9時半にいったんチェックアウトする。今日は沖縄では75年目の戦没者慰霊の日。その式典は3密を避けた参加者の少ないものとなり、ラジオからは安倍首相の俳優が台詞を読むような劇場型のあいさつが流れているが、そこに真摯な感情がこもっているとは思えない。まあいつものことだろうが。

 晴れた日になったので、高知市の午前はまず市街を眺めようと、「五台山公園」へ。
 市街の東南方向に位置するこの高みには高知市街や浦戸湾を一望できる展望台があり、隣接して「竹林寺」や「牧野植物園」がある。中国の五台山に似ていることに由来するという。
 いやあ、いい眺めだ。朝から直射日光がびんびんだ。

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「五台山公園展望台」から高知市街を望む。

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同じく、南西方向には浦戸湾もきれいに見えた。

 「五台山公園」の近くにある「五台山竹林寺」。
 四国霊場第31番札所。土佐の文殊といわれ、行基が唐の五台山に似た山を探してここに寺を建てたという。夢窓国師が作庭されたと伝えられる庭園は、高知県三名園のひとつに数えられているのだそうだ。
 読経の録音が常に流れているような都会の寺。幅の広い苔むした石段を進んでいくと朱に染まった五重塔が建っていた。

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幅の広い苔むした石段を進んでいくと……。

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朱に染まった五重塔が建っていた。

 五台山の南側に回り込んで、「高知市濱口雄幸生家記念館」へ。
 ご存じですか、濱口雄幸。高校時代、日本史で習いましたね。大蔵官僚から政治家へ。大蔵、内務の大臣、昭和初期には内閣総理大臣を歴任した人物。その風貌から「ライオン宰相」と呼ばれ、謹厳実直さも相まって大衆に親しまれた人物だ。
 濱口は、この地で林業を営む水口家の3人兄弟の末子として生まれ、のちに安芸郡田野村(現田野町)の素封家・濱口家の長女と結婚し、養嗣子となる。
 記念館は、母屋・勉強部屋・蔵など濱口雄幸の生家が復元されたものとなっている。現在であってもかなり辺鄙なところにある小さな集落の、さらに沢のどん詰まりにあり、彼の質実剛健さはこういうところで育まれたのだろうと、その場に立ってみて感じる。
 近くでは高速道路インターチェンジの建設工事が盛んに行われていた。

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濱口雄幸(ウェブから)

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記念館はこの細道の先、沢のどん詰まりにあった。

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母屋・勉強部屋・蔵などが復元されていた

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蔵の内部にはゆかりの品々も展示が展示されていた。

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 2階の自室からそう離れていないところにある20年近く前に設置された隣家のボイラーは、6時前になると点けられて大きな運転音を出す。その音に促されて6時起床。窓を開けて寝る夏の間の平日は目覚まし時計いらずである。
 肌寒さを感じてタオルケットが離せなかったが、この夜の最低気温は5時前の19.9℃。ほほう、20℃を割ったか。涼しいはずだ。もう9月だものな。

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(okinawa-image(波照間島だったろうか))

 朝のうちに、昨日の株式取引の帳簿付けと本日分の発注、運営中のブログの更新、日々のログ付けなどを行う。結構な作業量だ。
 株価は結果として望むような展開には至らず、この日の売買はなしとなる。

 この日は血液検査をしてもらうので、朝から何も食べないで、9時までに三條クリニックへ。たっぷり待たされて、やることはいつもの血圧測定と、採血の注射1本だけ。2か月分の薬をもらって約1時間半の病院滞在となる。この間はずっと本を読んでいたので、だいぶページ稼ぎをした。

 昼メシは、一般店が開く時間まではもう少しあるので、天童市中里の24時間営業の店「茂利多屋」へ。ここならいつでも開いているし、メニューが何十種類とあって選択自由だし、すぐに食べたくないなら各種弁当からのチョイスだってできる。そして安いし、それなりにおいしい。
 今回はエビとイカフライ定食590円にミニかき揚げうどん220円を付けてみた。
 フライは、イカ・エビ・白身魚の3種。揚げ立てのフライがおいしくないはずはなく、これに皿の上のタルタルソースや卓上のとんかつソースを多めにかけて食べれば、サクサクとした衣が上顎の表面を適度に刺激して、満足度の高いこそばゆさが得られる。こうなるとごはんが足りないんだよナ。
 きちんとカットレモンが付いているあたりはたいしたものだが、生野菜は最低限の量で、もう少し欲しい。
 ミニうどんには価格相応の価値はないかもしれない。腹が空いているのであればいっそのことレギュラーサイズの410円を選択するほうがいいと思う。隣の人はそうしていた。その人の選択は、サバの味噌煮定食と山菜そば。いいねぇ、これで1,000円ぐらいのはずだ。
 とにかく使い勝手がいいし選択幅が広いので、間を置かずに何回も行ってしまいそうだ。

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(「茂利多屋」のエビとイカフライ定食+ミニかき揚げうどん)

 午後は、まだ多少は涼しいし腹もくちくなったので、小1時間ほど休んでから活動を開始しようとしたが、本を持って横になれば心地よく、家の中が静かなことも手伝ってしっかり2時間ほど寝入ってしまう。ああ、時間がもったいないなぁ。そう思いながらも、体と心は十分に満足しているようなので、まあよしとしようではないか。この日の最高気温は29℃台にとどまった。

 そこからは、無料電子図書館から柳田國男作品をWORDにコンバートする作業を行い、39編すべてを掌中にする。9ポイント文字2段組みのレイアウトで、100ページ余りのファイルが5つ。旧仮名遣いの文章も多く含まれていて読むのに骨が折れそうだが、興味のある分野なのでこれからじっくりと読み進めていきたいと思っている。新刊本よりも古書を買うことが増えたが、ここにきて読み物は無料となった。

 夜は、3日ぶりに飲酒。なのだが、やっと飲めたというような大きな感動はない。なんなら飲まなくたっていいぜ、ぐらいの感覚だ。飲んでしまうとその後の時間が使い物にならなくなる一面があるので、明日以降は少し考える必要があるようだ。進めるべきことがある日の夜は飲まないほうがよさそうだな。
 飲みながら見たのは、お盆の頃にやっていたBS日テレの「友近・礼二の妄想トレイン」の山形編。六角精児や宇賀なつみがゲストで出て、フラワー長井線や赤湯の「龍上海」、上山の「陶芸の宿古窯」などが取り上げられていた。
 それと、NHKの「歴史秘話ヒストリア あざやかなり首里城」。昨年10月31日に炎上消失した首里城だが、王国とともにあったその歴史や、平成の再建に焦点を当てた番組。1992年復元再建の立役者だった歴史学者の高良倉吉が番組全体でいい仕事をしていた。
 高良は伊是名島の出身で、首里高校、愛知教育大学卒。沖縄県立博物館主査、浦添市立図書館長などを経て、1994年から琉球大学法文学部教授。2013年に定年退職し、その後は仲井眞弘多沖縄県知事時代の最後の副知事を務める。NHK大河ドラマ「琉球の風」の監修者でもあった。

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(高良倉吉。うしろは守礼門だ。)

 23時半消灯。
 9月を迎えて新たな本を2冊読み始める。「麦屋町昼下がり」(藤沢周平著、文春文庫、1992)を150ページ、「沖縄健児隊の最後」(大田昌秀編、藤原書店、2016)を30ページ。

 高知市街から「桂浜」へと向かう途中にあった「高知市立自由民権記念館」。
 高知市が市制100周年を記念して建設した記念館ということで、明治時代の高知の志士たちの活動を知ろうと入館する。
 するとチケット販売窓口の女性は、自分が伝えたいことを一方的にしゃべる。その長い説明の間に2つほどしたこちらの質問は完全に無視される。不明点を確認しているのに。それでは窓口担当者としては失格ですネ。
 常設展では、立志社の日本憲法見込案や板垣退助が岐阜で襲われた時の短刀などが展示され、自由民権運動の歩みを土佐での運動を中心に文献、写真、風刺画、模型、映像などを使って紹介している。
 シアターの映像を見てお勉強。高知市の中心部で「立志社」の跡を見たけれども、このような自由民権運動の政治結社は土佐に十数社あったという。また、保安条例違反の疑いで検挙・拘束された指導者的人物のほとんどは土佐藩の出だったという。

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高知市立自由民権記念館

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自由民権運動の様子を再現した内部の展示物から。

 そして、高知県を代表する景勝地「桂浜」へ。
 高知市浦戸半島の先端に位置し、竜王岬と竜頭岬の間に広がる砂浜。「月の名所は桂浜」と、よさこい節でも唄われている。
 正午のバカ暑の中、駐車料金を払わされて「桂浜」を歩く。
 ここも27年ぶりにやってきた。「坂本龍馬の銅像」がデカい。懐手の姿、足元にブーツ、遠く世界へ思いを馳せているかのような瞳は有名だ。知らなかったが、1999年に大がかりな修復が行われているという。彼が立つ場所は浜の西のほうと記憶していたが、そうではなく東寄り。記憶とはこのようにあいまいなものなのだ。
 かつて「闘犬センター」があったところには土産物屋が建っていて様変わりしていた。調べてみると、破産して2017年に営業を終了したとのこと。「闘犬センター」といえばかつては実業団男子ソフトボールの強豪だったのだけどな。

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坂本龍馬の銅像

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龍馬像の視線の先に広がる風景はこうだ。

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「月の名所は桂浜」と唄われる浜。

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「桂浜」の背後はこんな感じになっている。

 桂浜から、往路に通った道を戻って、長浜地区にある「若宮八幡宮」に立ち寄る。
 この社の例祭には、土佐の風物詩的奇祭「どろんこ祭」が行われる。毎年4月第1土曜から3日間、浴衣姿の女性が繰り出して、その女性が男性の顔に泥を塗り、泥を塗られた男性はその夏病気をしないといわれる奇祭なのだそうだ。
 ここは長宗我部元親が初陣祈願したところとされ、八幡宮の南東「鎮守の森公園」内には長宗我部元親の像が建立されているという。八幡宮自体はふつうだった。

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「若宮八幡宮」1

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「若宮八幡宮」2

 長浜地区でのもう一つの寄り道となる「高福山雪蹊寺」。
 四国霊場33番札所。寺名は藩主長宗我部元親の法号にちなんで付けられていて、長宗我部元親の墓がある。立派な本堂と大師堂が印象的だ。
 すぐ脇の奥まったところに「秦神社」があるのは神仏習合の時代の名残りで、明治以降に寺と神社に分けたということなのだろう。

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高福山雪蹊寺

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・「今日もうまい酒を飲んだ~とあるバーマンの泡盛修行~」の解説(粋) by 太田和彦
  (「今日もうまい酒を飲んだ」(広小路尚祈著、集英社文庫)から)

 私も泡盛は大好きだ。はるかなる昔、沖縄に初めて行ったとき飲んだそれは、他の酒とはまるでちがった。大地に根ざした深い旨味、野性味を秘めた温かみのある包容力、じんわり効いてくる酔い心地、円熟した酒としての底力に魅了された。酔い心地は、哀愁をたたえる三線の音色にのって踊るカチャーシに導き、それはまさしく、他人を迎え入れて難しいことは言わない「テーゲ一精神」、つまりは沖縄の風土と人々そのものであった。風土とこれほど結びついている酒はないと思った。

 酒は種類により酔い心地がちがう。
 ビールはアルコール度5度と薄いので、大ジョッキでゴクゴクと飲めて、スカッと痛快愉快な気分をつくり、話題もスポーツなど健康的。不動の肴は鶏唐揚げと餃子。男も女も、ビールで気取っても始まらない賑やか酒で、大勢で飲むのにぴったりだ。飲みすぎると寝てしまう。
 ウイスキーはこの逆。40~45度と、アルコール度の高いのをちびちびやり、飲むと理屈っぼくなるのが特徴で、何か議論をしたくなる。ために作家のインタビューや、対談を盛り上げるにはウイスキーがいい。男と男にウイスキーは似合うが、男と女では話が難しくならないように気をつけないといけない。女同士でウイスキーを傾けていたら近寄らないほうが安全だ。肴はいらない。あっても豆くらい。銘柄や年代物などのうんちくが多いのも理屈で飲むゆえか。飲みすぎると頭が痛くなる。
 ワインは、13~14度くらいでさらりと飲め、ビールの笑いや、ウイスキーの議論ではなく、女性を口説きたくなる囁き酒だ。したがって男同士でワインを飲んでいるのはどこかヘンな気がする。麦、米などの穀類ではなく、果物のぶどうから作るワインは酒としては頼りなく、やはり食事の合間をつなぐ脇役の印象だ。しかし世にワインこそ至高の酒とする人は多く、私はワインの良さを知らないのだろう。
 日本酒は15度ほど。飲むとおいしいものを食べたくなる。美食が合う酒なのは、日本人の主食たる米でできているためで、和食以外もどんな料理でも引き受ける。また、酒を美味くするのが役目の「珍味」というジャンルがあるのも日本酒の特徴で、他の酒にはこういう専門的脇役はない。ちなみに〈うに・からすみ・このわた〉を三大珍味と言う。飲んでゆくと、「オレもお前も、同じ人間じゃないか」と気分は情に傾き、腹を割った気持ちにさせる。男と女が気持ちを裸にして本音で飲むには最適だ。
 蒸留酒の焼酎は35度くらいで、理屈も人情も卒業した「達観の酒」。もう何も考えていない無の境地になれる。肴も凝ったものよりは、沢庵の尻尾とか煮干しとか、つまらないものが合う。人生経験を経て、食欲も、女性を口説く覇気もなくなってきた中高年から焼酎派が増えてゆくのも、むべなるか。しみじみとお湯割り焼酎を飲んでいる人に話しかけてはいけない。
 では泡盛はどうか。
 泡盛を味わっていると、人の温かさに思いが至り、相手を肯定する気分になってくる。その気分は言葉ではなく、カチャーシ、皆で立ち上がった踊りになって現れる。踊る人同士に言葉はいらない。世界に、飲むと悠然と立って踊りたくなる酒はあるだろうか。言葉は所詮、理屈。そうではなく、身振り、踊りで幸福感を表す解放感はすばらしい。家でひとり、泡盛を味わっていてもそういう心になれる。

 久米島、波照間島、沖永良部島……。沖縄はどこの島に行っても、しっかりとその島だけの泡盛があり、皆個性的なのは、海を隔てた島同士の往来が難しかったためだろう。必ず来る台風は島を孤立させ、自分たちを自分で守る独立心となる。
 また辺境の地ゆえに来島者をうれしく迎える気持ちがある。離島のみならず本島でも、日本政府がこれだけ沖縄を捨て石に、ないがしろにしているにもかかわらず、訪ねた我々を温かく迎えてくれる。そしてそれは歌を、踊りを生む。
 私は日本中の居酒屋を巡って土地と酒の関係を見てきたが、沖縄の泡盛ほど、風土人情と密接につながり、「命の水」として日常的に在る酒はなかった。まさに坂口謹一郎博士の言葉「君知るや名酒泡盛」の通りだった。
 泡盛が好きな人はいい人だ。泡盛好き同士は気心がわかり、嫌な奴はいない。泡盛好きは相手の良いところを見つけようとしてくれる。自分もそうなる。泡盛好きの女性は男をおっとりと温かく包んでくれ、口説こうという下心よりも人間として好きになる。
 主人公が用意してきた泡盛を飲んだ97歳の老人もやはりこの心境になっただろう。自分の故郷に思いを馳せ、それまでの人生を肯定したことだろう。

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(太田和彦)

 高知市内に戻って13時前。宿泊しているホテルの近くにあるラーメン店「まんしゅう」で昼食だ。
 ここでは旨辛あんかけで唯一無二の味と評判の「じゃんめん」が食べられるのだ。
 「じゃんめん」は、もともと四万十市窪川の「満洲軒」という焼肉店の名物だったもので、それが高知市中心部に出店しているのがこの「まんしゅう」。どの分類にも入らないと言われるボリューミーで具だくさんなラーメン。黄色い麺にホルモンやニラ、スープには溶き卵が入り、ピリ辛なのに甘さも感じる濃厚な旨みでたちまちクセになるシロモノらしい。

 さてそのじゃんめん880円。
 うわぁ、熱そう。とろみのあるニラ玉にコリコリとした食感の牛ホルモンが入っている。四万十産直のニラと卵を使っているとのこと。
 これはうまい。麺は極細ストレートだが簡単にはダレない。須崎で食べた鍋焼きラーメンも同じようなつくりの麺だったが、高知の中華麺とはこういうものなのだろうか。
 普段ならこのおいしいスープに半ライスを投入するところだが、そうしてしまうとほかのものが食べられなくなるので我慢する。

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「まんしゅう」のじゃんめん。汗かいたけどうまかったぁ!

 腹も満たされたところで、ここでいったん高知市を離れ、1時間近くかけて、その北に位置する大豊町へと進む。見るのは「杉の大杉」と「美空ひばりの遺影碑・歌碑」だ。この道をさらに100kmほど行けば高松市に到達できる位置となる。

 「杉の大杉」。
 八坂神社境内にある2株の杉で、推定樹齢3千年といわれる巨木。国特別天然記念物に指定されている。
 実際に行ってみるととてつもなく大きい杉で、これほどに巨大な杉の木を見るのは初めてかもしれない。神社の鳥居の傍では協力金200円を徴収していたので、しょうがないが支払う。

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「杉の大杉」。大きすぎて根元しかファインダーに入らず。

 「美空ひばりの遺影碑・歌碑」。
 9歳でデビューした美空ひばりは1947年、地方巡業の途中、大豊町でバス事故に遭い九死に一生を得た。その後町内の「杉の大杉」に「日本一の歌手になれるように」と願をかけた。帰京後ひばりはスターへの道を歩み、14歳のときに当時世話になった人々への挨拶をかねて大豊町を訪れ、「杉の大杉」を参拝したという。そんなひばりのゆかりの地としていつまでも人々の胸に残るようにと、大豊町が「大杉の苑」を整備し、遺影碑と歌碑を建立したのがこれなのだった。
 歌碑は、八坂神社の外側に建ち、ボタンを押すと3種類の歌が聴けるようになっている。背景に広がる山並みを眺めながら聴く「川の流れのように」は心によく滲みる。少し音が大き過ぎて気恥ずかしいところはあるのだが。

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美空ひばりの遺影碑・歌碑

 まっすぐ高知市には戻らずに、南国市のポイントもこの日のうちにつぶしておこう。
 「琴平神社」。
 地元では「十市の金毘羅さん」として知られ、琴平山の山頂にある。本殿・拝殿・絵馬堂などは壮麗で眺望も素晴しいという。
 ポイントの少ない南国市でも何か見ておこうと考えてリストアップした場所だったが、多数の野良猫が駐車場で惰眠を貪っているようなところで、観光客が寄るようなところではなかったかもしれない。木陰ではタクシーが「空車」の赤ランプを点けたままエンジンを切らずに長時間停まっていた。仕事をほっぼり出して昼寝でもしているのだろう。

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琴平神社

 ところで、県をまたぐ移動が緩和されたことで、桂浜、南国あたりを走っているとこれまであまり見ることがなかった現地以外のナンバーをわりと頻繁に見るようになった。それらは福岡、岡山、広島、鳥取、大阪、和歌山、品川、宮城などで、四国以外からやってきている人が増えていることがわかる。

 そろそろ減速。再び高知市へと戻って、高知駅前を見ておく。
 北口の、駅によくある30分無料駐車場に停めて、正面の南口へ。
 「土佐三志士の像」はでかい。左から武市半兵衛、坂本龍馬、中岡慎太郎だ。
 「龍馬伝」幕末志士社中は、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の撮影で使われた坂本龍馬の生家セットが再現されている、幕末志士たちの暮らしを体感できる施設。なのだが、県あたりの行政がつくったものと見えて、今一つ垢抜けがしていない。駅前の特等席に設えられていながら、客は自分一人だった。
 ああ、足痛て。本日はここまでだな。

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JR高知駅

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高知駅前に建つ「土佐三志士の像」

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「「龍馬伝」幕末志士社中」のエントランス

 ホテルに戻る前にどこか安いところでガソリンを入れておこうと思い、高知駅に近い安いスタンドを調べて行った。ところが、なんだよ、ほかと同じ値段で全然安くないじゃんかよ。高知市内はどこもだいたいレギュラー137円、ハイオク147円が定番になっていて、ここもその値段だ。それだったら何もあわてて今ここで入れる必要はない。

 疲れたので今夜も部屋飲みをすることに決めて、地元系のスーパー「サンシャインベルティス店」で総菜を調達する。
 大好きな鰹のタタキをメインに、しばらく食べていない生寿司の小パックにポテサラという豪華なラインナップを確保して、あとは飲み物も。
 今夜はホテルの地デジとBSで2試合のナイター中継があるので、それを観ながら飲むことにしよう。ほかに朝用のパンと牛乳などを買っても1,500円台と、これだけ買ってもコンビニ並みの料金なのだ。

 「サウスブリーズホテル高知海月」には17時半に再チェックインして、昨日と同じ大部屋の和室に戻る。この日は価格の設定が300円高くなったが、それでもこの価格は驚異的だ。
 18時前から大浴場をほぼ貸し切りで使い、部屋に戻って即テレビを点ける。しばらくの間、忘れないうちにとログ付けの一部をやって飲むのを我慢して、19時を期して一人宴会を挙行するのだった。
 まずはホテルの自販機で買った発泡酒の500mlをぐびぐびとやって、その後はいつものように缶チューハイで鰹などをつまむ。タタキの切り身の厚いこと。山形あたりのスーパーで売っているものと比べて厚さはほぼ2倍、切り口の面積も2倍ぐらいはあるので、体積にすれば1切れ4倍ということになるのではないか。高知の夜はタタキさえあればシアワセだ。それと、ぼーっとしながらナイターを見られるシアワセも加わっている。

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鰹のタタキさえあれば高知の夜はシアワセなのだった。

 6月23日の走行距離は134km。