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   双葉文庫  759円+税
   2015年12月13日 第1刷発行

 1994年9月初出の文庫新装版。
 刑事や探偵、ヤクザ、国家機密を司る者などが登場するいわばプロたちのハードボイルドは避け、普通のサラリーマンや現役を引いた世代の人物を主人公としたものはないかとの観点で選んだ1冊です。
 65歳で、小さな短大で染色分野を専門とする学部長が主人公。妻に先立たれた後は、甥の薫という、よく気がまわるゲイ青年と暮らしているという設定です。

 最愛の妻はすでに亡く、たったひとりの娘も独立し海外で暮らしていた。大学教授・葉山英介は平穏な人生の冬を送るはずだった。しかし、彼の過去がそれを許さなかった。40年前の伝説の強盗「流星団」、その最後にして最大の仕事……。愛するものと、男の誇りを守るため、葉山はふたたび銃を手にする。(カバー背表紙から)

 戦後の混乱のなか運命をともにした男たち。ある事件をきっかけに解散したあと、メンバーはそれぞれの道を歩んできた。だが、人生の冬に差しかかったころ、封印したはずの過去が男たちに牙をむく。
 「本物の男」とはなにかを深く問う、大沢在昌渾身のハードボイルド長編!(コシマキから)

 あまり書くとネタバレになるので、さあどうぞ、お読みください。(笑)
(2020.12.28 読)

2021.03.01 20210228 日
 6時45分起床。よく晴れた朝だ。
 夢の中で、来週末が期限のとんでもない仕事を引き受けてしまい途方に暮れていたところだったが、どうせ夢、起きてしまえばこっちのもので、引き受けた内容すら思い出せない。現実の世界では、リタイアして以降はこういう苦境に立つことがほとんどなくなっていて、それは精神的にとてもいいことだ。あの頃は単なるしきたりや、今となってはご無体だと断言できるタテ系列の指示などで、合点のいかないままいろいろと苦境に立たされたものだ。もうそんな“組織内部の論理”なんかで行動しなくてもいいのだ。
 身近な某地方自治体では、副首長の再任を求める人事案が議会で否決されそうになり、首長側が提案を撤回する事態になっている。先頃の首長選挙で敗れた議会の多数派がとれる抵抗手段とはその程度のものだという見方もできるが、首長が多選を重ねるうちに執行部内部で理不尽ともいえる強引な手法や上意下達が増え、それが顕在化したとも取れるのではないか。この人事案件そのものについても、両輪といわれる議会への根回しをしていなかったわけで、そこにも多選首長側の驕りが見え隠れしている。

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(okinawa-image(宮古島砂山ビーチ))

 8時からの「ノルディック世界選手権2021女子スキーアスロン」を見る。さすが、ノルウェー、スウェーデンが強い。
 9時からは「第76回びわ湖毎日マラソン」。大津市での開催はこれが最後となる。大津には去年の10月に立ち寄ったばかりなので、画面に映る「瀬田の唐橋」のほか、浜大津で車を停めた公共駐車場や、昼食をとった「餃子の王将皇子山店」などを見つけて懐かしく思う。
 結果は、鈴木健吾(富士通)が大爆走。大迫傑のもつ日本記録の2時間5分29秒を大きく上回る2時間4分56秒をたたき出して優勝した。4分台とはびっくりぽん。各5kmをほぼ14分台で刻み、もっとも苦しくなる35km以降の各1kmを2分50秒台で走ってしまう離れ業をやってのけた。解説の高岡寿成は、距離設定が間違っていると思うほどのラップタイムだと言っていたが、見ているこちらもそう思ったものだ。2~5位の4人も6分台、15位までが7分台、42位までがサブテンというのだから驚く。かつてはサブテンランナーになれば一流といわれた日本の男子マラソン界だが、このレースひとつで明治維新の前と後ぐらいの歴史的激震が走ったのではないか。

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(2時間4分56秒の日本最高記録で優勝した鈴木健吾(富士通))

 昼食は、上山市軽井沢の「御食事処じんや」を、実に11年ぶりに訪問。2年間勤務した米沢への通勤路に当たっていて、山形市内の本社への出張の際にここで2度ランチを食べたと記憶している。平日なら日替り定食が順当なのだが、今回はハンバーグ定食825円にしてみた。
 大きくて、ふっくらとした形のハンバーグ。誰もがおいしいと感じるであろうハンバーグソースは、長年店を営む間に培われてきたものなのだろう。これに半熟の玉子、揚げ立てのポテト、彩りの温野菜が付く。定食屋の正しいあり方として、それられを箸で食べるというのがいい。もちろん、お新香と味噌汁が付いて、ごはんの量もしっかり。
 どうして11年も行かずにいたのだろうと反省。ほかにもそそられるメニューがいくつかあったので、また行こう。

 午後から夜にかけて、今日も母からの嵐の電話攻勢。部屋にいなかったり、入浴中だったり、飲み始めていたりということを理由に出なかったが、つれあいにもガンガンかかってきていて、恐る恐る一度出たところ、これまで以上の眩暈がして死にそうだと訴える内容だったという。
 そんな状況ならばベッドに横になっていることぐらいしかできないだろうに、途切れなく電話がかけられるのであればまだ元気はあるということだ。そういうときには近くにいる職員に訴えて善処してもらうというのが常識的な行動だと思うが、母には職員の好き嫌いがあって、あの職員であれば言わないほうがましという態度をとることがある。だが、どの職員であっても、まさか苦しんでいる入居者を放っておくということはなかろう。考えられるのは、このヒトはいつだってちょっとしたことを大げさに言いつらうのだということが、職員にも薄々というか、完全にバレてしまっていることだ。
 まあ、いずれにせよ好き嫌いの範囲で我慢できる程度のことであれば、たいしたことはないと判断していいだろう。もちろん、施設側からの危急の電話もない。これまでも、一晩寝て朝になれば、あの執拗な訴えは何だったのかということが多いし、多分本人も前夜のことなどきれいに忘れてしまうのだろう。ということで、dismalな日々は今後も当分続くのだろう。

 “dismal”で思い出したが、ブレッドというグループがうたった「灰色の朝」という名曲があった。このレコードを持っていたはずなのだが、どこへやってしまったものか。
 調べてみるとブレッド(Bread)は、1968年に米ロサンゼルスで結成された3人組のソフトロックバンド。69年に発売されたファースト・アルバムからシングル・カットされた「Dismal Day」(灰色の朝)が、日本では72年に大ヒットした。72年といえば、当時ポップスと言われていた洋楽を、自分が聴き始めた年でもある。2分20秒もない、キレのいい1曲だ。
 せっかくなので、これをTouTubeからMP3でダウンロードする。また合わせて、以前からチェックしようと思っていたミシェル・ポルナレフが切なくうたう「愛の願い」(1971)も。

dismal day 202102   ainonegai 202102
(懐かしい、「灰色の朝」と「愛の願い」のレコードジャケ)

 読書は、「金鯱の夢」を90ページ。就寝23時半。



   集英社文庫  760円+税
   2019年4月25日 第1刷
   2019年6月16日 第5刷発行

 2021年に入ってから読み上げた1冊目。ここから年間100冊読破を目指す2021年の読書の旅が始まります。

 警察官を定年退職した神場智則は、妻の香代子とお遍路の旅に出た。
 42年の警察官人生を振り返る旅の途中で、神場は幼女殺害事件の発生を知り、動揺する。
 その事件は、あの事件と酷似していた。
 それは16年前、自らも捜査に加わって犯人逮捕に至ったものだったが、ある理由から神場の心に深い傷と悔恨を残していた――。
 神場は、かつての部下で、養女の幸知と交際中の緒方を通して捜査に関わり始め、消せない過去と向き合い始める。
 組織への忠誠、正義への信念……様々な思いの狭間で葛藤する元警察官が真実を追う。

 最近読み始めた柚月裕子の作品の中ではこれが秀作だという情報を得て、手にしたもの。
 読後感は極めて満足のいくもので、気持ちにすんなり入ってくる文章、優れた心理描写、ワクワクする展開などに絡め捕られて、静かに感動してしまいました。
 少し前に四国を旅して四国八十八か所霊場のうち22寺を見ていたので、それなりにお遍路をイメージできたことも理解を深めたのかもしれません。

 「臨床真理」「孤狼の血」そして当著と読み進めて、柚月裕子作品はここまでと思っていたけれども、こう面白いと、もう少し読んでみたくなりました。
(2021.1.1 読)

2021.03.02 20210301 月
 6時に覚醒し、しばらくうたた寝して7時半起床。何時までにどこへという縛りがないので自由人はこういうことができる。今日から3月だ。
 パソコンの朝ルーチン、週明けの株式市況確認。午前中、先週金曜に買った電通をもう売って小遣いを稼ぐ。日経平均は700円近く値を上げて、金曜日に大きく下げた分の半分強をこの一日で戻した格好となった。
 午前中から青空のいい天気になり、陽射しも暖かく感じられるようになってきた。春3月だものな。
 ホームページの更新も約2か月ぶりに行うことができ、懸案を一つつぶした形となった。

 このところ唯一のお楽しみとなっている昼食は(笑)、北町の「北龍飯店」を10か月ぶりに訪問。
 あまり期間を空けずに訪問したのは、テレビの「バナナマンのせっかくグルメ」にこの店のワンタンメンが登場していたのを見たから。日村が「うめぇ~!」と言いながら食べていたが、山形駅前をうろついていたまだ舌と懐の肥えていない高校生男子の推薦だったこともあり、過度な期待はせずに試食してみたところ。
 ワンタンメンの大盛り、660+110円。中華料理店のラーメンらしい、鶏ガラと野菜で取った出汁がオーソドックスで、おいしい。いいのだ、Wスープでなくても、背脂が入っていなくても、チャーシューがとろけなくても。こういう素朴な味こそが、体に染み入ってしみじみとおいしいものなのだよ。そんな、どこか懐かしくて安心できる味のものを、納得がいくボリュームと庶民的な料金で食べられるのであれば、もうそれ以上何を望むというのか。

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(okinawa-image(座間味島とかしくビーチ))

 午後は、読書中心。「金鯱の夢」を100ページ読んで読了。
 夜には、つれあいから長男夫婦の状況を聞かされる。第一子の出産予定日が3月中旬に迫っているが、今のところ順調で、まだ生まれる気配になってはいないという。また、倅のほうには人事異動の内示があり、4月から同じ職場の別の部署で働くことになるという。子が生まれて夫婦はこれからが大変というときに、単身赴任などの事態にならなくてよかった。

 春めいてきたので、そろそろ旅の準備をしなければと思い、名古屋ステイを実現させる方向で動き出す。
 大都市圏を旅するのに道の駅泊まりというわけにもいかず、まずは投宿先を安く抑える算段をすることが重要だ。GoToトラベルは少なくとも首都圏の緊急事態が続く3月8日までは再開されることはなく、その後すぐに始めるわけにもいかないと国交大臣が国会で答弁していた。だが、再開が決まってから動くのでは遅きに失する可能性があるので、とりあえず定価ベースで最安のホテルを探し、予約してしまう。地下鉄「東別院」駅至近のビジネスホテル。5連泊なら1泊税込み3,700円で、これならWi-Fi、BS付きだし、ウィークリーマンションよりもずっと安く上がる。
 4月5日から3つに分けて15泊分を予約してしまう。こうしておけば、4月5、10、15日からの出発が可能で、実際に泊まってみて設備等がよくなければ後半を解約すればよい。もちろん、2日前までは全部解約してもキャンセル料は不要なので、それまでの間にGoToが再開されれば、そちらに乗り換えるつもりだ。
 宿が決まれば、旅の情報収集にも気合いが入るというものだ。名古屋を落ち着いて巡るのは初めてだし、行きたいところもすでに何か所かある。加えて楽しみなのは、さまざまある名古屋の食文化だ。明日以降はこれらについての情報収集に走ろう。

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(名古屋城のシャチホコは名古屋人の誇り?)

 寝る前に、「インバウンド」(阿川大樹著、小学館、2012)を読み始めて60ページ。故郷沖縄に戻ってテレワークセンターで勤め始めた若い女性の話だ。
 25時、就寝。

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   新潮社  1,000円+税
   2016年12月15日 第1刷発行

 太田の「居酒屋味酒覧」の初出は2004年。それが4度版を重ね、2016年に「決定版」と銘打って発売されたのがこれで、2020年現在では最新のものとなっています。
 新規収録60件、掲載大幅増の204店。各店の特徴を示す名酒・名料理・名居心地別推奨に加え、新たに歴史ある建物・造作を顕彰する「日本居酒屋遺産」を選定しています。
 「いい酒いい人いい肴」を知り尽くした達人厳選の旬な店がここに! 旅行、出張、街歩きに、これさえあればいい店選びには困らない!! ――とのことです。

 居酒屋に関しては、興味はあるものの自分の探訪歴は浅く、この本に登場する店の中で実際に入店しているのは、「ばんや」(八戸)、「久村の酒場」(酒田)、「斎藤酒場」(十条)、「まるます家」(赤羽)、「うりずん」(那覇)ぐらい。「独酌三四郎」(旭川)や「こつこつ庵」(大分)などは店を見てきています。
 目次の店名を見ていると、太田和彦の居酒屋番組以外にも「吉田類の酒場放浪記」などでも取り上げられているところが多く、知っている店ということでは結構な数があります。

 これらの店は確かによさそうですが、自分の場合、日本酒はそれほど飲まなくてもよく、飲んでいる間は誰とも話さずに一人で静かにやりたいタイプなので、大箱の大衆酒場の片隅やうらぶれた町中華などで、瓶ビールやサワー系の飲み物を片手に焼き物や煮込み、やっこ、中華料理などの大衆的なものをつまみながらマイペースでやりたい。なにもその土地で揚がった高級魚の煮魚や刺身などで高級酒をツイー……とやらなくたって、十分に満足できるのです。
 したがって、旅に出ているときにもこの本に頼ることもなさそうです。
(2021.1.4 読)

2021.03.03 20210302 火
 6時45分起床。原子爆弾なのか原発事故なのか、兵役中に放射能を被曝してしまい、営舎内での2日間の完全休養を与えられる。36時間ぶっ通しの睡眠から目覚めると、体のあちこちから剛毛が生えていた。これも被曝の影響だろうか。こんなに硬い毛ももう少しすればみんな柔らかくなって抜けてしまうのだろうな。――そんな夢を見る。まあ、朝に夢を見るほどたっぷり睡眠が取れているというように解釈したい。

 この日は、いきつけの理容店に行ってモーニングサービスの格安カットをしてもらおう。だが、モーニングにはシャンプーが付かないので、細かい髪がたくさん付いたままとなる。朝から一日そのままで過ごすのは辛いので、その足で平日の空いている日帰り入浴施設に朝風呂に入りに行くというのはどうだろうか。それってすばらしくいいアイデアではないか。朝から安く刈って、午前中から風呂。そんなことは無職でなければ到底できない贅沢というものだろう。ついでに施設内のレストランで食事をして帰る。よし、これだな。

 8時半過ぎに発って、千円で散髪。一刻も早く風呂で頭を洗いたい。今回は、天童の「最上川温泉ゆぴあ」を狙ってみた。少し遠いが、入浴料350円とはこれも今どき安いほうだ。思惑どおり混んでいず、浴槽の湯も熱いし露天風呂も広いしで、ここまではとても寛げる。ところが、施設内のレストラン「お食事処最上」はお粗末だ。ご飯ものはすべて販売中止となっていて、平日はラーメンとそばの4種類しかやってないのだそうだ。それなら別の店で食べよう。抽斗はほかにたくさんある。
 自信のある一品メニューを出す店をレストラン街の一角で営業するというのならわかるが、施設内に一つしかない店でこれを食べろと言われても、何も食べてもいい客以外は納得しない。きっとここの支配人は、客ではなく施設側の都合しか考えられず、商売とは何かという視点を持たない凡庸な人物なのだろう。

yupia 202103
(「最上川温泉ゆぴあ」は、施設はいいが、経営戦略は……)

 天童市内に車を走らせ、北久野本の「中国飯庄仙客来」を1年9か月ぶりに再訪して、麺類と飯類から各1品ずつ選べるラーメンセット850円の中から、サンラー湯麵と中華丼をチョイス。
 おおっ、これで850円?! サンラー湯麵は、きちんと酸っぱく具材も豊富で酸辣然としているし、固茹での太麺が「おれはゼッタイにダレないけんね」と強く主張しているようでおいしい。中華飯は、イカと海老が入って海鮮系の風味が漂う確かな味。ご飯が少なめのところに中華あんがこれでもかとかけられて、こちらも申し分なし。
 2品がダブルでメインを張っているいいセット。冷たい肉そばと、ライスの上にとんかつを載せただけのかつ丼のセットで1,350円もとって平然としている店は、こういう店をよく見習うべきだ。

 帰宅してからは、読書。久々に外で行動したのでやや疲れた。したがって、ベッドに横になってごろごろとして過ごす。

 夕刻にも自宅の風呂に入って風呂三昧の一日となり、夜は録画の町中華番組を観ながらの飲酒。
 概ねでき上った21時過ぎからは、ノルディック世界選手権2021の女子10kmフリースタイルを観る。どの選手も早えぇなぁ! かつての距離競技はこれ一本だった「クラシカル」とはまったくスピード感と体の動きのダイナミズムが違う。とりわけ、優勝したヨハウグ(ノルウェー)の走りは、2位を1分近く引き離す異次元的なものだった。
 ヨハウグは、2016年のドーピング検査で禁止薬物の陽性反応が出てしまう。本人は、使用していたリップクリームに禁止薬物が含まれていたと弁明したが、18か月の資格停止処分を受け、2018年の平昌オリンピックには出場できなかった経験を持っている。

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(女子10kmフリーで優勝したテレーセ・ヨーハウグ)

 23時かっきりに室内灯を消し、本を読みながら眠りへ。
 本日の読書は、「かりゆしの島のお迎えごはん ~神様のおもてなし、いかがですか?~」(早見慎司著、メディアワークス文庫、2019)を読み始めて50ページと、「インバウンド」を120ページ。



   集英社文庫  680円+税
   2020年7月25日 第1刷発行

 松永多佳倫の沖縄高校野球ものを読むのは、「沖縄を変えた男 栽弘義―高校野球に捧げた生涯」に次いで2冊目。

 2010年、沖縄・興南高校が成し遂げた史上6校目の甲子園春夏連覇。島中が歓喜と興奮に包まれた。あれから10年。プロに進んだエース、大学在学中に公認会計士試験に合格した元選手、辺野古生まれの幼馴染、沖縄から高校野球を変えようと強き信念を持ち続けた監督など、多士済々の選手や監督のその後に迫る。あの熱狂をもう一度。(カバー背表紙から)

 多くの野球関係者のみならず、興南高校野球部の2010年度卒業生部員45名のほとんどから話を聞き、書き綴った労作。
 章立ては、「散った春夏連覇投手 島袋洋奨」「究極の文武両道 国吉大将・大陸」「未完の大砲 眞榮平大輝」「本音の辺野古 我如古盛次」「沖縄を変える男 我喜屋優監督」「特別対談 我喜屋優監督×島袋洋奨」。
 高校時代に輝いた彼らの中からプロ野球で大成する人物は現れませんでしたが、社会に出てからきちんと通用する大人になれるようにするという我喜屋監督の薫陶を受けて、選手たちが各分野でそれぞれの道を地に足を付けて歩んでいる様子を読み取ることができました。

 蛇足になりますが、「本音の辺野古 我如古盛次」の章には、連覇メンバーのキャプテン我如古盛次とライト5番の銘苅圭介はともに名護市久志の出身とあり、「2020年の今年、春夏連覇の偉業を讃えて我如古と銘苅のモニュメントが久志に建てられる予定だ」と書かれていました。
 興味が湧いたので調べてみると、沖縄の2紙に、それは2020年11月1日に完成していて、モニュメントは、「久志区野外運動場」に建立されたとありました。
 名護市久志は、先の沖縄ステイ(2020年1~3月)時に集落内まで入り込んで、「久志のガジュマル」や「久志若按司御位牌安置所」などを見てきています。運動場は、集落の北側にあった「久志公園」のことのよう。またいつか沖縄に行く機会には、この地も訪れて、記念碑を見てみたいと思います。
(2021.1.10 読)