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   光文社文庫 700円+税
   2018年5月20日 第1刷発行

 沖縄本島北部の法テラスに派遣されてきた弁護士・阿礼沙英子。東京で若手のエースとして活躍していた、口と態度は悪いがやり手の美人弁護士という、小説にありがちな出来過ぎた設定です。
 しかしそんな切れ者でも、オジィ、オバァたちのウチナーグチは理解することができずに四苦八苦の毎日。それを通訳するのが地元男性事務員の大城。沙英子は大城を従え、縁もゆかりもない琉球の地で、厄介な民事事件を率直すぎる発言で一刀両断にしていく――というストーリーです。

 「モアイの相談」は、大城の小学校時代の同級生で派手な女性の赤嶺里奈が持ち込んできた模合崩れの相談。彼女は裁判をおこすと息巻くものの、沙英子は証拠が乏しいことを伝える。赤嶺はそれでは納得できないと、模合の座元との話し合いに大城を呼び出すのだが……。

 ほかに「オバァの後遺障害認定事案」、「軍用地相続の調停事案」、「誘拐事件の国選弁護」、「ユタの証明」、「親権問題の調停事案」、「オジィとオバァの窃盗事件」を加えた全7話により構成されています。
 ちんすこうやサーターアンダーギーはもちろん、ウチナー弁当・沖縄そば・グルクンの天ぷらなどの沖縄特有の飲食物も次々と登場します。

 著者の友井羊(ともいひつじ、男性)は1981年、群馬県高崎市出身で、國學院大學文学部哲学科卒業。2011年、「僕はお父さんを訴えます」で「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞を受賞してデビュー。2014年、「ボランティアバスで行こう」が「SRの会」が選ぶ2013年ベストミステリーの国内第1位。
 その後、第3作の「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」に続いて2015年に4作目として刊行されたのがこの「さえこ照ラス」。
 なお、「さえこ照ラス」はそのシリーズとして2018年7月には「沖縄オバァの小さな偽証 さえこ照ラス」が発売されていて、こちらもすでに入手済みなので、近く読んでみることにします。
(2019.6.9 読)

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