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   南方新社  2,500円+税
   2017年7月14日 第1刷発行

 築地俊造(つきじしゅんぞう)は奄美シマウタの名手で、1934年大島郡笠利町川上生まれ。75年南海日日新聞社主催「第1回奄美新人民謡大会」で優勝、79年NNS(日本テレビネットワーク)主催「第2回日本民謡大賞」で優勝。日本民謡大賞および内閣総理大臣杯を受賞し民謡日本一となる。
 88年以来、「渋谷ジァン・ジァン」等で首都圏でのライブ活動を続け、奄美島唄の普及に努める。88年「鹿児島県芸能文化奨励賞」、2002年南海日日新聞社主催「南海文化賞」、08年南日本新聞社主催「南日本文化賞」、13年「鹿児島県民表彰」、14年「文部科学省地域文化功労者表彰」。
 福島幸義に師事し、武下和平、坪山豊らとともに奄美シマウタを牽引してきた人物です。

 2017年4月14日、逝去。
 12年からがん闘病を続けながら、自作曲を含めて東京や鹿児島など奄美島外でも歌った。どこまでも謙虚な築地は、「自分は全国一になったが、島一にはなっていない。シマには自分よりうまい人がたくさんいるのだから」と、よく言っていたといいます。

 カバーのそでにあった「築地俊造さんからのメッセージ」。
 拝みんしょうらん。島唄は奄美の大事な大事な財産です。
 私はその島唄とともに人生を送ってきました。
 お金持ちにはなれませんでしたが、おかげさまで誰よりも心豊かな日々を過ごしています。
 もう80を超えましたが、これからもできるだけ多くの人にこの幸せを分けて生きていきたいと思っています。
 島唄のおかげでたくさんの人に出会えました。その皆さんに感謝の気持ちを込めて、島唄と、そして皆さんとともにあった私の人生のことを、少しお話しさせていただきたいと思います。
 よろしかったら読んでください。

 コシマキには、同じ奄美のウタシャ中村瑞希の「こんなに島唄のことをぜんぶ考えてくれている人はいないですよ」との言葉も。

 あの息づかいを永遠に刻む――。
 読めば、奄美初の民謡日本一の唄者・築地俊造が語る島唄人生が満載。あの頃の奄美、海外公演、唄者たちとの交流、そしてこれからの島唄を担う人たちへ――などが静かな情熱をもって語られていました。
 8章構成の「唄者 築地俊造自伝」がメインで、付録に「第三回奄美民謡新人大会を前に」「「新春座談会」奄美民謡を考える」「全国に響いた奄美の古典メロディー」「島唄、その深みと継承」の4つの座談会。さらには梁川英俊による「あとがきにかえて―築地俊造小論」と「築地俊造ディスコグラフィー」が続きます。
 また本書には付録として、1979年に日本一を受賞した、日本民謡大賞決勝の「まんこい節」と、築地俊造自選のコンサート録音CDが付いています。

 これは良書。築地俊造は亡くなっても、彼が輝いて活動していた記憶はこの本が後世にしっかりと残してくれることでしょう。
(2019.10.8 読)

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