FC2ブログ


   ボーダー新書  1,200円+税
   2015年9月9日 初版第1刷
   2019年1月29日 増補改訂版第1刷発行

 若手実力派研究者が著した「沖縄しきたり歳時記」(ボーダーインク、2015年9月発行)が、内容を大幅に追加して再登場したというのでゲット。
 県下各地で古くから折々におこなわれてきた行事と、そこで使われる供えものや道具のなりたちや意味、語源、地域による特色や時代ごとの変遷などが綴られています。
 昔ながらのしきたりと現代性が同居する沖縄においては、こういう本が必携書として重宝されているのではないでしょうか。

 記事が季節ごとに写真とともにコラム的にまとめられていて、肩の凝らない表現で綴られ読みやすいものになっています。
 それらは、春はソーグヮチ、ウチャヌク、ジュールクニチー、ジューハチヤ、ウマチー、ニングヮチヒガン、ウチカビ、ヤシチヌウグヮン、シーミー、ジューバク、サングヮチサンニチー、夏はヤマドゥミ、アブシバレー・ムシバレー、ユッカヌヒー、ユンヂチ、ウコール、チナヒチ、といった具合。

 ベースとなった初版の「沖縄しきたり歳時記」についての沖縄タイムスの書評を見つけたので、コピペしておきます。ボーダーインク編集者・喜納えりかさんによるものです。

・沖縄県産本コレ読んだ? 季節と密接な暮らし知る (2017年9月2日)
 あすのウンケーを前にクイズをひとつ。「重箱を一組、準備して」と言われたあなたは、何を、いくつ用意しますか?
 沖縄で「重箱」といった場合、単なる入れ物を指すのではない。肉やかまぼこなどの料理を詰めた物も、餅を詰めた物も「ジューバク」と呼ぶ。その組み合わせが一つではなく二つで「一組(チュクン)」、一つだと「半組(ハンクン)」だ。いずれも本書の受け売りだが、知らない人も意外と多いのではないか。
 本書は、沖縄国際大学で非常勤講師を務める稲福政斉(いなふくまさなり)さんが、沖縄タイムスのミニコミ紙「旧暦カレンダー」で連載したものをまとめた1冊。実は私も「知らない人」に入るわけだが、本を作るための打ち合わせ(と称したゆんたく会)での、稲福さんの面白トークからかなり勉強させていただいた。
 年中行事や暦、供え物など、沖縄のしきたりにまつわるエッセーで、春夏秋冬、二十四節気の順に構成している。季節の移ろいと人々の暮らしが切り離せないものだと、現代の私たちは改めて気付くのだ。
 さらにお盆の話をする。ウークイのときに燃やす「ウチカビ」は、必ずジューバクとセットだという。ウンケーの夕食がなぜジューシーなのか。なぜナカビにはそうめん汁を供えるのか。ちゃんと理由がある。年中行事の手順を教えるマニュアル本から一歩進んで、そこに秘められた意味合いを知りたくなったときにお薦めだ。
 稲福さんは、「もの」について説明をする時には、できるだけ実物を示すようにしているという。百聞は一見に如かず、ということらしい。つまり、毎年のお盆は、目の前で「実物」を見られるチャンスだ。退屈だと投げ出したり、重箱料理に飽きたと言ったりする前に、ぜひ本書を開いてほしい。さまざまなしきたりが、沖縄の暮らしの中から生まれたことがよく分かる。
(2019.10.12 読)

関連記事
Secret