FC2ブログ
yorozuyahei2.jpg

   文春文庫  629円+税
   2003年12月10日 新装版第1刷
   2005年6月15日 第7刷発行

 9月に読んだ上巻の続き。
 友人の明石半太夫・北見十蔵と剣術道場を共同経営しようとした平四郎が、明石にだまされてやむを得ず長屋に移り住むことになったことから話が始まります。
 そして、長屋に「よろずもめごと仲裁つかまつり候」の看板を掲げ、平四郎が離縁話の仲裁や盗人仲間の手打ちなど「よろずもめごと仲裁」を行う様子が各話で描かれます。
 道場の共同経営をするはずだった明石半太夫・北見十蔵はその後もしばしば脇役として登場し、時には平四郎とともに剣を取って戦います。

 世に揉め事の種はつきぬとはいえ、依頼主のもち込む話は多彩を極めます。中年夫婦の離縁話、勘当息子の連れ戻し、駆け落ち娘の探索等々。武家と違い、万事気ままな裏店にも、悲哀にみちた人生絵図がありました。

 藤沢作品は第1作から年次を追って文庫を順に読み進めていますが、概ね半分ぐらいまでは来たでしょうか。手にしている文庫は2005年発行ですが、1985年に刊行されたものの新装版で、もともとは1983年に文藝春秋に発表されたものです。ですから、この作品あたりが円熟期に当たると言っていいのかもしれません。

 車での九州一周の旅に持参したもので、福岡県の「道の駅おおき」にて読了しました。
(2018.10.28 読)

関連記事
Secret