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 6時20分起床。昨日あたりから沖縄の最高気温予想が20度前後とあまり上がらなくなったようなので、昨晩はエアコンの温度を1度上げて眠ってみた。快眠できるが、
 カーテンを開けると、日曜日とあってか、運河の岸はたくさん人が釣り糸を垂れている。
 午前中、前日に観た企画公演のインプレッションを中心にドキュメントを10時半までかけて書き上げる。あちこちから拾ってきた画像の処理に時間がかかっている。

 この日は公演のダブルヘッダーを組んでいる。13時からの劇団「うびらじ」新春公演と、17時からの新作組踊「対馬丸」だ。はじめはコザの「あしびなー」、後半は那覇の「琉球新報ホール」となる。沖縄らしいものを毎日いろいろと見ることができて楽しい限りだが、こういうことはこの地に一定程度住んでいなければなかなかできることではないだろう。

 11時過ぎにマンションを発ってすぐに、車がそろそろ給油をしろと言い始めたので、コザへと向かう途中のJASS中城村当間の給油所でガソリンを入れる。この17日間で470km走り、24l弱の給油量だったので、燃費は概ね20km/lほどだった計算になる。レギュラーが129円と、本土よりも15円ぐらい安い。

 西原町の「麺家にらい」に赴いて、沖縄そば500円に、そばとセットだと150円が100円になるじゅうしいをつける。昼の時間帯は大盛りがサービスになるというのでそのようにしてもらって、都合600円。
 自家製麺だというそばはコシがあり、硬めで噛み応えがある。刻んだ生姜に澄んだ鰹風味のスープというつくりは名店「首里そば」のものとよく似ている。三枚肉には炙りが施されて香りがいい。これは上出来ではないだろうか。ひと口に沖縄そばと言うけれども、様々なものがあるものだ。大盛りとは言ってもこうおいしければどんどん食べ進んで、このぐらいが適量だ。
 じゅうしいも椎茸風味がよくて上出来だった。厨房でジャーの蓋を開けるたびにじゅうしいのいい香りが漂ってくる。

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(「麺家にらい」の沖縄そばとじゅうしい)

 昼の時間帯の沖縄そば屋は本土の飲食店よりも総じて調理に時間がかかるもので、余裕を持って来たつもりなのに、13時からの劇団「うびらじ」新春公演、時代人情歌劇「夜半の月」の会場「沖縄市民小劇場あしびなー」にはちょうどよい頃合いに着いた。ここでも何度か演劇などを観てきている場所なので懐かしい。

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(劇団「うびらじ」新春公演「夜半の月」のチラシ)

 劇団「うびらじ」がどのような集団なのかはよくわからないが、代表者は東照子という細身の女性で、この人が作舞や演技指導をしている。この日は13人での舞台だった。
 第1部は「雑踊りの魅力」として6つの演目が舞われる。顔ぶれを見ると、又吉優美(またよしゆうみ)と森根藍水(もりねあいみ)が若手の看板で、あとの方々はわりと年配者が多いようだ。したがって、全体としてわりとしっとりとした踊り方になっているのだが、古典舞踊ならともかく雑踊りであれば、もっと溌剌としたものがほしいような気がした。
 帰ってから若手の二人についてネットで調べてみるものの、劇団そのものと同じく彼女たちの情報も乏しい。劇団活動をより世間にアピールしたいのであれば、様々な形でもっと情報開示をするべきだと思うがどうだろう。

 第2部が、時代人情歌劇「夜半の月」。あらすじは次のとおりだ。
 平和な村に視察にやってきた地頭(松田勝江)は、村娘カマルー(森根藍水)の踊りを見て一目惚れし、その様子を見ていた臣下のダクジャク(上原隆)は気を回し、強引にカマルーを地頭屋敷に連れて行く。だがカマルーには、幼い頃から慣れ親しんでいた意中の許嫁であるカマダー(東照子)がいたのだった。
 カマダーへの思いが募り地頭屋敷で泣き明かす日々を送っていたカマルーを見ていたカミー(比嘉雪乃)は、カマルーを気の毒に思い、屋敷を逃げてカマルーの元へ行かせてやろうとする。
 そこに地頭が現れるが、地頭はカミーの話を聞いて事情を理解し、ダクジャクをしてカマダーを連れてくるよう命じる。しかし、ダクジャクはすでにカマダーにあらぬ罪をかぶせて波照間に島流ししてしまっていたのだった。悲しむカマルーを見た地頭は、カマルーを連れて波照間島に向かう。
 一方カマダーは、波照間島で幽閉の日々を送っている。そのカマルーの世話をするうちに慕うようになったのが島娘のブナリー(又吉優美)だった。ブナリーは牢の鍵を開けてカマダーを逃がそうとするが、兄の金盛(上原信次)に見つかってしまい、激しく鞭で打たれる。しかし、妹の想いを理解した金盛は、最後にはサバニに乗って船出する二人の逃避行を助けるのだった。
 カマダーとブナリーは沖縄の港に着いた。そこで地頭とカマルーに出会う。一日も忘れたことがなかったカマルーの声がカマダーの耳に届き、二人は固く抱き合い、それを見た地頭は安堵する。
 しかし、カマダーの口からは意外な言葉が……。

 ダクジャク役の上原隆がいい仕事をしていたし、カミー役の比嘉雪乃も愛嬌があってよかった。堂々とした体躯の松田勝江も地頭役がはまっていたと思う。

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(比嘉雪乃(右)。左は昨日の舞台で活躍していた伊禮門綾だ。(2012))

 15時5分終演。少し時間があるので「あしびなー」の入っている「コリンザ」の様子を久しぶりに見てみたが、2階はハローワークなどの公的施設しかなく、この日は日曜なので休みでがらんとしている。1階は、かつては電気店や100円ショップが入っていたと記憶しているが、今は沖縄市立図書館になっていて、多くの利用者が利用しているようだった。

 次は、国体道路からR58を走って、那覇泉崎の「琉球新報ホール」へと向かう。県庁の地下駐車場に車を入れて、開演まで40分ほど時間があるので「リウボウ」の書店で地下食品街を眺め、さらに7階のリウボウブックセンターで本を1冊買う。「焦土に咲いた花 戦争と沖縄芸能」(琉球新報社編著、琉球新報社、2018)。沖縄芸能三昧をしている今の自分にぴったりだったので、WEB書店を使わず書店で購入する。

 旧ビルと同じ場所に2018年5月に落成した琉球新報本社ビル。その中にある「琉球新報ホール」で観るのは、「対馬丸記念館開館15周年記念 組踊上演300周年記念企画 新作組踊「対馬丸」」だ。15分前の入場時にはすでに600人収容の観客席はほぼ満席だった。

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(新・琉球新報本社ビル)

 組踊「対馬丸」は、芥川賞受賞作家の大城立裕の作。大城は、琉球語のネイティヴ・スピーカーとして最後の世代としての責任感に突き動かされる形で、21世紀に入ってからたくさんの新作組踊を書いていて、それらは「花の幻―琉球組踊十番」(2007)と「真北風が吹けば ―琉球組踊続十番」(2011)として刊行されている。いずれも一度読んでいて、「対馬丸」は後者に含まれていたはずだ。今年95歳になるが、今もまだ創作活動を続けているのはすごい。車椅子で会場に来ていたその大城が間近にいたのには驚いた。

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(大城立裕)

 1944年に発生した疎開船「対馬丸」の遭難から10・10空襲まで、戦争の悲惨さを描き、北谷町の小学生とプロの役者約20人が演じる。去年10月に北谷ニライカナイセンターで初演され、それを琉球新報社の協力を得て那覇で再演することになったものだ。

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(組踊「対馬丸」の上演を報じるテレビニュース)

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