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 7時25分、知念半島の向こうから上がる日の出とともに起きる。

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(7時25分の本日の日の出)

 この日から天候が崩れると聞いていたがそれは本土のことで、沖縄は今日も晴れて、降水確率は終日0%の予報だ。そうか。だったら今日は久高島に行こうか。
 そう思い立ったのは朝のルーチンをほぼ終えた8時半頃だった。フネの時間は9時30分。これを逃すと次は11時だ。間に合わないかもしれないなと思いつつ急いで髭を剃って着替え、必要な準備や片付けを済ませて、9時3分に安座真港に向けて発つ。ナビは到着時刻を9時33分と予想しているが、短縮されるのは毎度のことなので何とかなるかもしれない。
 港の駐車場に滑り込み、乗船券を買って9時29分。どうにか間に合ってこのフネ最後の乗船者となる。平日のこの時期なのに船内はほぼ満員だったのには驚いた。
 久高島に渡るのは、2002年3月以来となる。あの時よりも乗船客はずっと多い。あれから18年経って、久高島はどう変わっているだろうか。

 高速船は島の徳仁港に20分弱で到着。港周辺は多少賑やかにはなったが、以前と大きく変わっていない。結論から言うと、沖縄本島とは違って久高島はほとんど変わっていなかったと言っていいと思う。

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(久高島航路の主役、高速船「ニューくだかⅢ」)

 2002年当時にはなかった「さばに」という貸自転車屋で自転車をゲットして、町なかを眺めてみる。
 「久高小中学校」から見始めて、久高島祭祀のシンボル的な場所の「御殿庭(うどぅんみゃー)」へ。12年毎に行われる祭祀「イザイホー」の祭場だ。中央には神アシャギ、向かって右側には村落の始祖の一人を祀った神屋、左にはイラブー(エラブウナギ)を燻製にする焙乾屋がある。うなー(庭)はもう少し広いものと記憶していたが、意外と狭いのだった。
 なお「イザイホー」とは、島で生まれ育った30歳以上の既婚女性が神女(神職者)となるための通過儀礼だ。島の過疎化が進み、ナンチュ(新たな神女)となる女性と儀式の祝詞や段取りを知る神職者がいないなどのため、1978年を最後に行われていない。次の開催年は2026年。開かれるとすればの話だが。

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(南城市立久高小中学校。左奥には津波災害時の避難施設ができていた)

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(古い様式が残る集落の様子)

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(「イザイホー」が行われていた「御殿庭」)

 「外間ウプグイ(外間殿)」を見た頃から、次第に方向感覚を失っていく。集落内の道は曲がりくねっている上に、平坦地なので山などの目印となるものがないのだ。そんな中で唯一、ランドマークとして使えるのが貯水塔だ。初回訪問時にもこの貯水塔の場所を確かめながら集落内を巡ったことを思い出したが、構造物自体は当時と同じままで、だいぶ古くなっているようだった。
 「久高島宿泊交流館」。少し前に読んだ小説「潮風エスケープ」(額賀澪著、中央公論新社、2017)では、久高島が潮見島という名前で登場し、この交流館が合宿の舞台として登場するのだった。2002年当時はできて間もないぴかぴかの建物で、島の中学校に単身で学びに来ていた子供たちの生活の場所だったが、今はNPOが宿泊施設として運営しているようだ。
 その後「久高ヌン殿内(どぅんち)」をチェックし、なかなか見つけられなかった「大里家」が貯水塔の至近にあったのをようやく発見したことで、集落内の見て回りを終える。

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(外間ウプグイ(外間殿))

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(集落の唯一のランドマークとなる貯水塔)

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(久高島宿泊交流館)

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(大里家)

 ここからは集落を離れて、島の最北端のカベール岬を目指す。
 その途中にある「フボー御嶽」。男子禁制が厳粛に守られている場所だ。同時刻に数名の団体を車でガイドしていた地元の女性によれば、地元の男性は一切近づこうともしないとのこと。観光客の男性なら数メートル先のロープが張られたところまでなら行ってもかまわないとのことだった。でも、フボー御嶽のすごいところはその先まで入らなければ実感できないんだよね。何でワカルの? まあいろいろあるわけです。
 そこからカベール岬までは、砂利敷きのまっすぐな一本道となる。両脇には南国特有の植物が茂っている。前回訪問時もそうだったが、この無開発のまっすぐな道こそが、久高島の原風景として最も濃密に残る記憶となる。そしてこのモチーフは、沖縄そのものの原風景としても、いろいろな場面で用いられているようだ。

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(フボー御嶽はこのチョイ先までしか入れない)

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(カベール岬へと続く道)

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