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 さて、「THE AGYAAA SHOW」。戦後75年の沖縄の歴史を、時代のヒット曲とともに振り返るラジオ番組という仕立て。大混線の電波はあの世にもつながり、今は亡き大物唄者や大物政治家も出演するというユニークなミュージック・エンタテインメントショーだ。
 仲宗根創が自身の師匠である登川誠仁役を、知念勝三が照屋林助を演じるほか、前川守賢、下地イサム、きいやま商店や、お笑い事務所「オリジン・コーポレーション」所属のお笑い芸人も多数出演。戦ですべてを失った沖縄が歌と笑いで復興を遂げていくさまが、ライブと芝居、コントでスピーディに描かれていく。

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(「THE AGYAAA SHOW」のチラシ)

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(チラシの登川誠仁のモチーフになったと思われる本人画像。懐かしいな、誠グヮー)

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(照屋林助は、CD「平成タブーショー」のジャケットがモチーフだろう)

 ステージ上で繰り広げられたシーンを以下にかいつまんで書いていく。
 沖縄のお笑い芸人せやろがいおじさんが赤褌を着けて登場し、2分間ほどの口上を述べてスタート。「THE AGYAAA BAND」と命名されたサックス、三線、ギター、ベース、ドラムの5人が「ゴールデンタイガー」をアレンジしたデキシーランド風の曲を奏で始めると、ステージ中央に安室奈美恵(Aya:))が登場して「Hero」をうたう。
 ここでこの仮想のラジオ番組をナビゲートするDJかーなー(長嶺花菜)がステージの袖に登場。グリーンのワンピースのすらりとした美しい立ち姿はタダモノではなさそうだ。

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(長嶺花菜)

 天から響くアマミキヨ(鶴田真由)の声とユタの祈りに促され、ここで登川誠仁(仲宗根創)と照屋林助(知念勝三(まさみつ))が登場。仲宗根は長い間弟子として誠グヮーの傍に寄り添うようにして生きてきているので、師匠の性格、声音、仕草、うたい方、服装の好みなどを知悉している。ホンモノが本当にあの世から立ち戻ってきたのではないかと思えるぐらいに何から何まで本人とそっくりなのだった。この役は仲宗根を措いて他には誰もやれるまい。そして、彼がいなければこの公演自体が成立しないだろう。
 一方の知念はあまり似ていず、本物のてるりんを知る者にとっては少々物足りない。なにせ占領時代のワタブーショーや、復帰後にはコザ独立国大統領として、一世を風靡したスーパー芸人だったのだから。いかに本人が甲高い声だったからと言って、それを裏声でやっちゃあダメでしょう。でもまあ、そうは言っても懐かしさが先に立って涙が出そうなぐらいなのだけど。
 でもって二人は、「屋嘉節」や「懐かしき故郷」などをうたった。

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(鶴田真由)

 戦時中という設定で沖縄市の子供たちがたくさん出てきて、THE BOOMの「島唄」がうたわれ、そこに小那覇舞天(ぶーてん、ベンビー)がフォーシスターズ(秋山ひとみなど)とともに登場して「石川小唄」を、さらにてるりんらも登場して「別れの煙」をうたう。

 ここできいやま商店が登場! 客席を巻き込みながら、♪僕らはこの島で生まれて育ったんだ 家族と手をつなぎ笑って育ったんだ……という「僕らの島」をうたう。彼らが出てくるだけで元気になれる気がする。

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(きいやま商店)

 続いては戦果アギャー兄弟(しんとすけ)が出てきて、そんな時代もありました的な漫才を披露し、登川が「軍歌食べたいなあ」をうたう。♪勝ってカマブク食べたいなあ……というアレだ。
 そして、伊江島のガンジーと言われた阿波根昌鴻(あはごんしょうこう、渡嘉敷直貴)が、伊江島の戦いとは相手の立場に立って考え、学ぶことだという名セリフを再現し、子供たちとともに声を限りにうたう。感動的だ。そして誠グヮーとてるりんは「沖縄を返せ」を。

 再度きいやま商店の3人が登場し、1958年の夏の甲子園に沖縄から初めて首里高校が出場し、郷里に持ち帰った甲子園の土が検疫で海洋投棄された歴史をコントで表現する。彼らはコントもすごく面白い。

 ここでアギャーバンドがコンディショングリーンの代表曲「BONEY MARONEY」を演奏。激しく、熱い。そして喜屋武マリー(秋山ひとみ)がバラードの「愛は限りなく」を熱唱する。ベトナム戦争が激化していた頃の沖縄の状況が伝わってくる。
 そして、瀬長亀次郎(新垣晋也)が登場し、「沖縄が再び戦場となることを拒否する!」という国会で行った名演説を再現して見せる。先頃見たばかりのカメジローの映画の感動が甦ってきた。
 新垣は身体の右半分がカメジローで、左側は屋良朝苗という一人二役をやり、屋良の演説の真似もして見せ、なかなか面白い。カメジローはなぜかDJかーなーに護得久栄昇のモノマネをするよう強要するのだった。

 次は具志堅用高(じゅん選手)。トランクス姿でシャドウボクシングをしながらインタビューを受けるという設定で、「ちょっちゅね」のしゃべり方がそっくり。興南高校の電灯、海を歩いているなどの名言が再現される。

 いよいよ終盤。誠グヮーとてるりんは、映画「ナビィの恋」、嘉手苅林昌のこと、NHKの「ちゅらさん」もあったという思い出話をして、子供たちとともにKiroroの「ベストフレンド」とBEGINの「島人の宝」を合唱。そしててるりんが「加那ヨー」を歌い踊る。
 誠グヮーが首里城消失の話をすると、前川守賢がでてきて「国頭サバクイ」をうたい出す。やんばるから木を伐り出し、城を再建しようではないかという想いが込められていて、これもまた感動的なワンシーンだ。

 そこに下地イサムがカッコよく登場し、♪もうすぐ日が暮れる頃だ ひと息ついたら乾杯しよう……と「希望を注げ」を爽やかにうたう。ここでようやく、ここまでは声だけだったアマミキョ姿の鶴田真由が舞台に登場する。

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(下地イサム)

 ステージでは子供たちの空手の演舞、その下では中の町青年会のエイサー太鼓が鳴り響き、客席の両側からは子どもたちによって三線が奏でられる。うたうのは「ヒヤミカチ節」だ。
 そして締めには「唐船ドーイ」。歌と笑いがある限り、ウチナーンチュや負きらんどー! ということを誠グヮーが語り、幕が下りたのだった。
 いやはや充実の2時間。ノンストップで堪能した。詳しい内容を残しておきたいと思える内容だった。主催は公共団体の沖縄市。これだけ多くの著名出演者が登場してこの価格というのはなかなかすごいことだ。

 出演者の何人かについて整理しておきたい。
 バンドの三線奏者で登場した仲村奈月は、彼女も誠グヮーの愛弟子の一人で、2004年は琉球民謡協会コンクールで最高賞の実力者。しばらく休業していたようだがここにきてリスタートしたようだ。
 Aya:)は、安室奈美恵のコピーパフォーマーとして沖縄を中心に活躍している人物。
 長嶺花菜は、やはりタダモノではなかった。アナウンサーだがかつてモデルもやっていて、2012ミス・ユニバースジャパンの沖縄代表だったという。
 知念勝三については詳しくわからないのだが、歌や芝居で活動しているらしく、このたびの公演に入っていたチラシのひとつに「チャンプ流ぅ芸能団公演」があり、舞踊家の嘉陽田朝裕(先に観た「劇団うびらじ」とも関係がありそう)、仲宗根創、創作舞踊集団「結花」会長の平敷勇也らと活動しているようだ。
 ベンビー、秋山ひとみ、渡嘉敷直貴、新垣晋也、じゅん選手らは、オリジンコーポレーション、劇団O.Z.E所属のタレントだ。こうなると、劇団O.Z.Eも観てみたくなる。

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(仲村奈月)

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(新垣晋也。瀬長亀次郎を好演した)

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(じゅん選手の具志堅用高も笑えた)

 15時終演。どこにも寄らずに戻って16時。「民謡で今日拝なびら」を聴きながら本日のログ付けを途中まで。
 18時を回ったところで冷奴をアテに缶チューハイ。早めに切り上がる。

 夜は、今週平日の催し物を改めて調べ、14日に沖縄県庁講堂で行われる「沖縄空手アカデミー講演会」の第5回講演を聴きに行くことにして、先着150名なので申し込みのメールをする。他県の県庁の講堂なんてそう頻繁に入れるものではないしな。ほかにはプロ野球キャンプのオープン戦が始まっているので、天候を見計らって観に行くことにしよう。
 ニュースを見ているうちに時間が経ち、室内灯の消灯は24時となる。

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