FC2ブログ
okinoseichi.gif

   平凡社新書  800円+税
   2019年2月15日 第1刷発行

 著者は、「あとがき」で次のように記しています。
 森を神の来遊する場所として崇め、社殿その他人工の営みを忌み排する御嶽(うたき)という沖縄の信仰と聖地に長い間関心を抱いてきた。しかしいまだに分からぬことが多い。とりわけその成り立ちは謎に包まれていると言っていい。この信仰は沖縄独自のものなのか? 外部から影響を受けているのか? 受けているとしてその外部はどこなのか? いつごろ、どのようにして入ってきたのか? これらの問題を、さまざまな観点から考え、諸家の意見は尊重しつつも無批判には従わず、なんとか納得ゆく答えを出そうとつとめてきた。
 結果として、御嶽の信仰が古神道の面影を残しているという柳田・折口以来の定説に反することとなった。独断のそしりはまぬかれないとしても、早急の判断ではなく、長い時間をかけての答えだったことは認めていただきたい――。

 著者は1929年生まれの、上梓時年齢はなんと90歳。約60年にも及ぶ長い歳月をかけて聖地を歩き、神社の起源を模索してきた人だといいます。日本各国から朝鮮半島を経て沖縄の御嶽に原点回帰し、新たに見出した景色とは。

 既刊に「原始の神社をもとめて 日本・琉球・済州島」(2009)、「神社の起源と古代朝鮮」(2013)、「伊勢と出雲」(2016)があり、これら3作によって「岡谷神社学」を確立してきたものの完結編といった位置づけでもあるようです。

 「御嶽とは」「御嶽遍歴」「御嶽と神社」「貝の道」「済州島」「新羅の森」の6章立て。さて、聖なる森の分布に重なる「貝の道」から見えてきた歴史とは?

 これを読んだのは、沖縄ステイ中の2020年2月。森の中の御嶽を見たくなって、この本に書かれていた「浜川御嶽」と「藪薩(やぶさつ)御嶽」を見に行ってきました。

(2020.2.22 読)

関連記事
Secret