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 3  文春文庫  590円+税
    1999年1月10日 新装版第1刷
    2004年8月25日 第14刷発行
 4  文春文庫  638円+税
    1999年1月10日 新装版第1刷
    2009年7月1日 第25刷発行

 改めて「坂の上の雲」の概要を整理すると、当作は司馬遼太郎の代表作の一つで、初めて近代を題材にとった長編作品。明治維新を経て新国家に生まれ変わった日本が、大いに欧米列強に学びながら近代国家としての体制を整えてゆき、日清戦争など幾多の困難を乗り越えて、ついには日露戦争でロシア帝国を破るまでを扱っています。
 旧伊予国(愛媛県)松山の出身で、日本陸軍における騎兵部隊の創設者である秋山好古、その実弟で海軍における海戦戦術の創案者である秋山真之、真之の親友で明治の文学史に大きな足跡を残した俳人正岡子規の3人を主人公に、彼らの人生を辿りながら物語が進行していきます。

 タイトルは、坂の上の天に輝く一朶の雲を目指して国民のすべてが一心に歩んでいた、当時の時代的昂揚感を表したものであるとのこと。
 また、日露戦争とは、官民の端々までが「国家が至上の正義でありロマンティシズムの源泉」と感じていた時代背景のもとで、情熱の下に一体となって遂行された国民戦争であり、司馬はそれを「国家の重さに対する無邪気な随従心をもった時代に行われ、その随従心の上にのみ成立した」と評しています。

 3、4巻のカバー背表紙の概要表記は、次のとおり。
 日清戦争から10年――じりじりと南下する巨大な軍事国家ロシアの脅威に、日本は恐れおののいた。「戦争はありえない。なぜならば私が欲しないから」とロシア皇帝ニコライ2世はいった。しかし、両国の激突はもはや避けえない。病の床で数々の偉業を成し遂げた正岡子規は戦争の足音を聞きつつ燃え尽きるようにして、逝った。(第3巻)
 明治37年2月、日露は戦端を開いた。豊富な兵力を持つ大国に挑んだ、戦費もろくに調達できぬ小国……。少将秋山好古の属する第二軍は遼東半島に上陸した直後から、苦戦の連続であった。また連合艦隊の参謀・少佐真之も、堅い砲台群でよろわれた旅順港に潜む敵艦隊に苦慮を重ねる。緒戦から予断を許さない状況が現出した。(第4巻)
(2020.8.6、2020.8.8 読)

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