FC2ブログ


   角川文庫  760円+税
   2017年8月25日 第1刷
   2018年4月30日 第16刷発行

 1988年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく―—。(カバー背表紙などから)

 ――という、長編警察小説シリーズ。
 「緻密な構成、卓抜したリアリティ、予期せぬ結末。いやぁ、おもしろい。正統派ハードボイルドに圧倒された。」(作家・黒川博行)
 「日本ミステリ史に残る、今世紀最高の悪徳警官小説だ。」(書評家・茶木則雄)
 といった具合に、多くの賞賛を集めた作品であるとのこと。
 柚月裕子の作品を読むのは「臨床真理」に次いで2作目。女流作家でありながら、刑事という人種がもつ特有の目力や匂い、男性側の目線から描く女性の性などを、実に的確に書いているなあという印象があります。

 この「孤狼の血」は、柚月裕子による長編警察小説シリーズの1作目の位置づけで、シリーズは全3作からなるのだそう。「小説 野性時代」の2014年3月号から15年2月号に連載されたのが初出で、15年8月にKADOKAWAから単行化、そして17年8月に文庫化。暴力団対策法成立前の広島を舞台に、暴力団系列の金融会社社員の失踪事件を追う刑事たちの姿や、暴力団組織間の激しい抗争を描いて、日本推理作家協会賞を受賞しています。
 第2作「凶犬の眼」はその2年後を舞台としたもので、2016~17年に「小説 野性時代」に連載。完結編となる第3作「暴虎の牙」は2018~19年に「岩手日報」に連載され、それぞれ単行化されているとのことです。
 また、「孤狼の血」を原作として、東映が2018年に映画化もしているとのことです。
(2020.11.24 読)

関連記事
Secret