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   ゆい出版  1,500円+税
   2003年7月24日 第1刷発行

 2003年発行の単行本を、2020年に古書店から送料込み854円で入手したもの。
 著者の照屋寛徳は、1945年7月、サイパン島の米軍捕虜収容所生まれ。琉球大学法文学部卒。政治家で、弁護士。社会民主党所属の衆議院議員を6期、沖縄県議会議員2期、参議院議員1期、社会民主党副党首、同国会対策委員長などを歴任した人物。2019年9月には、次期衆院選に出馬しない意向を示しています。

 沖縄の政治家が書いた自伝等についてはけっこう読んでいて、それらは「瀬長亀次郎回想録」(瀬長亀次郎著、新日本出版、1991)、「心 水の如く」(親泊康晴著、沖縄タイムス社、2002)、「激動期を走る」(仲本安一著、琉球新報社、2010)、「稲峰惠一回顧録 我以外皆我が師」(稲嶺惠一著、琉球新報社、2011)、「沖縄の風よ薫れ 「平和ガイド」ひとすじの道」(糸数慶子著、高文研、2013)、「われ、沖縄の架け橋たらん」(國場幸之助著、K&Kプレス、2014)などです。

 ウチナーンチュは、いつから日本人になったか。ウチナーンチュの自立とは? ヤマト(政府)の都合で日本人になったり、ウチナーンチュになったりは、もう御免だ。アメリカの走狗と成り果て、危険水域に入った日本の政治をウチナーンチュの視点から見つめ直す。(内容紹介から)
 さらりと紹介していますが、なかなか辛辣です。

 2016年9月24日付けの沖縄タイムス、「沖縄本コレ読んだ?」のコーナーに当著の記事が載っていたので、以下に引用しておきます。

・沖縄と国の関係を考える
 ウチナーンチュのワジワジーは消えることはない。つい最近も新たなワジワジーのネタができたばかりである。
 沖縄と国の関係は、これまでもさまざま論じられて来ているが、本書では、ウチナーンチュはどのような時に日本人として扱われ、いつから日本人になったのかが触れられている。筆者が国会議員として政府とやりとりする中でその過程が明かされる。
 ウチナーンチュは1899年、旧国籍法の施行で法的に日本人になった。これまで私の認識は、1879年の琉球処分でウチナーンチュは日本人になったと思っていたのだが、そうではなかった。
 かつて兵役は国民の義務とされていた。沖縄で徴兵制が施行されたのは、1898年のことである。いまだ正式に日本国民となっていないにもかかわらず、政府は沖縄に徴兵制を適用した。
 当時、沖縄では兵役逃れのために多種多様な方法がとられたという。詳細は省くが、海外移民もその一つであったようだ。今年は「世界のウチナーンチュ大会」が開催される。第6回を迎える今大会は10月26日に開幕し、最終日の30日には「世界のウチナーンチュの日」が知事の宣言で制定される予定だという。世界に根を張るウチナーンチュのネットワークにこのような始まりがあったことも記憶していいかもしれない。
 沖縄と国の関係、ウチナーンチュのアイデンティティーについて考えるためにも本書は格好の素材と考える。本書が出版されて10年余が経つ。ウチナーンチュとはどのような人々か。その答えはまだ見つかっていないし、沖縄をめぐる状況は当時よりもさらに悪化しているかもしれない。
 民族自立論や、先住民族、沖縄独立論などウチナーンチュのスタンスは「日本」とは距離を置く方向に進んでいるようにも見えるのだが穿ち過ぎだろうか。
(松田米雄・ゆい出版編集発行人)

(2020.12.9 読)

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