FC2ブログ


   集英社文庫  760円+税
   2019年4月25日 第1刷
   2019年6月16日 第5刷発行

 2021年に入ってから読み上げた1冊目。ここから年間100冊読破を目指す2021年の読書の旅が始まります。

 警察官を定年退職した神場智則は、妻の香代子とお遍路の旅に出た。
 42年の警察官人生を振り返る旅の途中で、神場は幼女殺害事件の発生を知り、動揺する。
 その事件は、あの事件と酷似していた。
 それは16年前、自らも捜査に加わって犯人逮捕に至ったものだったが、ある理由から神場の心に深い傷と悔恨を残していた――。
 神場は、かつての部下で、養女の幸知と交際中の緒方を通して捜査に関わり始め、消せない過去と向き合い始める。
 組織への忠誠、正義への信念……様々な思いの狭間で葛藤する元警察官が真実を追う。

 最近読み始めた柚月裕子の作品の中ではこれが秀作だという情報を得て、手にしたもの。
 読後感は極めて満足のいくもので、気持ちにすんなり入ってくる文章、優れた心理描写、ワクワクする展開などに絡め捕られて、静かに感動してしまいました。
 少し前に四国を旅して四国八十八か所霊場のうち22寺を見ていたので、それなりにお遍路をイメージできたことも理解を深めたのかもしれません。

 「臨床真理」「孤狼の血」そして当著と読み進めて、柚月裕子作品はここまでと思っていたけれども、こう面白いと、もう少し読んでみたくなりました。
(2021.1.1 読)

関連記事
Secret