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 2022年5月中旬から6月中旬までのおよそ1か月間に購入した本は、次の9冊です。

1 海の見える理髪店  荻原浩 集英社文庫 201905 古330
2 天ぷらにソースをかけますか? ニッポン食文化の境界線  野瀬泰申 新潮文庫 200901 古110
3 終着駅は始発駅  宮脇俊三 新潮文庫 198508 古298
4 ふるさとの生活  宮本常一 講談社学術文庫 198611 古369
5 納豆に砂糖を入れますか? ニッポン食文化の境界線  野瀬泰申 新潮文庫 201309 古220
6 人間の集団について―ベトナムから考える  司馬遼太郎 中公文庫 199609 古220
7 朽ちないサクラ  柚月裕子 徳間文庫 201803 古220
8 ウツボカズラの甘い息  柚月裕子 幻冬舎文庫 201810 古220
9 カモちゃんの今日も煮え煮え  鴨志田穣・西原理恵子 講談社文庫 200707  古110

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 いずれも古書で、主としてブックオフオンライン、ほかにはブックオフの店舗、アマゾンから買っています。この9冊で2,097円でした。

 1は、NHKのテレビドラマを観て、読んでみようと思ったもの。荻原浩作品は初めて読みます。
 2と5は、ブックオフの棚で見つけたもので、かつてよく見ていたテレビ番組「知る食うロード~発見!食の景観~」でナビゲーターを務めていた野瀬泰申の著作。
 3は、宮脇俊三の購入7冊目、4は、宮本常一関連文庫本の6冊目。
 6は、司馬モノで、「街道をゆく」の全シリーズが揃って以降のNEXTとして買ったもの。
 7、8は、柚月裕子の4、5冊目。9は、鴨志田穣・西原理恵子の“アジアパー”連作ものの5冊目で、これでシリーズすべてが買い揃ったことになるのかな。

 というように、このごろは特定の作家について一定程度読み続ける風が定着してきた形。沖縄関連本もナシ。学術的な書籍もナシ。
 新刊を定価で買うということをほとんどしないヒトになってしまいました。それで足りているわけですから、いいんですこれで。(笑)

 2022年4月から5月中旬までの間に買った本は、購入順に次の6冊です。

1 民俗学の旅  宮本常一 講談社学術文庫 199312 古480
2 途中下車の味  宮脇俊三 新潮文庫 199206 古275
3 ローカルバスの終点へ  宮脇俊三 新潮文庫 199108 古220
4 5分で読める! ひと駅ストーリー 乗車編  「このミステリーがすごい!」編集部 宝島社文庫 201212 古220
5 イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を読む  宮本常一 平凡社ライブラリー 200212 古351
6 オレンジデイズ  北川悦吏子 角川文庫 200602 古220

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 いずれも古書で、2~4と6の4冊はブックオフの最寄り店取り寄せで、1と5はその方法よりも安い価格でアマゾンから、それぞれ入手しました。総額で1,766円です。

 1と5は宮本常一、2と3は宮脇俊三、4は安易に読める短篇オムニバス、6は2004年にテレビ化されたものが今再放送されているのを見て、読んでみようかと。

 書物という奥の深いアイテムをこんなに安く買い求めることができ、今の時代とは、わが人生の中でも案外幸せな季節だと言えるのではないか。

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   カンゼン  1,300円+税
   2014年2月10日 第1刷発行

 「孤独のグルメ」の再放送に久住昌之が出ていたのを見て思いつき、書棚にあるQUSUMIの未読物3冊のうちから最も著作年代の古いこの著書を取り出して、読み始めました。朝っぱらから風呂に入って酒を飲んでいるような内容なので、あっという間に読んでしまえそうなものです。(笑)

 湯上りあとの朝ビール。「この余裕、この贅沢。今日は何からどうしよう」
 「孤独のグルメ」の原作者が新たに提案するのが“ふらっと朝湯酒”。その名の通り、朝風呂に入ってついでに一杯飲んで帰るエッセイである。
 朝風呂の気持ちよさを旅行のときだけにとっておかないで、もっと気軽に「朝風呂」を楽しんだっていいんじゃない!? ついでに、かる~く「朝酒」を嗜んだっていいんじゃない!?――という、朝っぱらから風呂入って酒飲んで寝る!前代未聞の「朝風呂」×「朝酒」痛快エッセイ。(商品説明より)

 本文は、一例を挙げれば、例えばこんな感じです。
 朝湯のあとの朝食のあとの、寝。この二度寝が好き。本当は朝の温泉より、旅館の朝ご飯より、好き。……この二度寝の、眠りに落ちていくとき、最高。絶頂。しあわせの絶頂。まさに、イッてしまう心地。この瞬間のために旅行に出てきた。といってもいい過ぎではない。その絶頂の前戯の皮切りが、朝風呂というわけだ。
 ふと思ったのだ。 別に遠方に旅をせずとも、朝風呂に行ったっていいんじゃないかと。自宅の狭いプラスティック風呂にちょこっと湯をためて、チョポンと入るんじゃなくて、ちょっと出かけてって、天井の高いでっかい風呂に、朝からザブンと入るのもいいんじゃないか。いや、いいに違いない。(第1話・御徒町の湯と酢豚定食)
 ――なんともやりたい放題って感じで、いいんじゃないスか。

 全10話の表題を拾っておくと、次のとおり。
 御徒町の湯と酢豚定食/荻窪の湯とモーニングプレート/赤羽カプセルとジャン酎モヒート/仙川の湯と天せいろ/六郷温泉と冷やし中華/久松温泉と冷やしたぬきうどん/よみうりランドの湯とペペロンチーノ/成城の湯とカレーライス/武雄温泉とごどうふ/糀谷の湯と目玉焼き
(2022.4.6 読)

10min mystery

   宝島社文庫  648円+税
   2012年2月21日 第1刷
   2012年12月21日 第5刷

 古書店から200円で購入したオムニバスもので、たくさんの続刊や類似の企画物が宝島社から文庫で出ています。ミステリーをここから読み始めてみようという思いで買ったものなので、もしこれが楽しく読めるのであれば、今後その方向にも「買い」を入れることにして、まずはその1冊目を早めに読んでみようとの考えです。2012年2月の初刷が同年12月にはもう第5刷を迎えているということは、こういう類いの需要、読者要求度はきっと強いものがあるのでしょう。

 「このミス」大賞が2002年に創設されて10年が経過したのを記念して刊行された、大賞出身作家による短篇アンソロジー。「10分以内に読める」をコンセプトにした原稿用紙10枚程度のショート・ショートがずらり。ユーモアタッチのネタ・コント、本格的な謎解きミステリー、ホラーテイストもの、戦記ファンタジーなど、バラエティに富んだ作品が集まっています。

 読み始めたところ、おもしろいけれども、短編物オムニバスの宿命で、読後感としては深く記憶に刻まれるようなものはあまり見当りません。序盤では深町秋生(ふかまちあきお)という第3回の大賞受賞者が山形県出身であることが引っかかったぐらいでしょうか。
 調べてみると氏は、1975年南陽市生まれで、山辺町在住。大学卒業後、長井市の製薬メーカーに勤務するかたわら、山形市で月に1度開催される「小説家(ライター)になろう講座(現:山形小説家・ライター講座)」に通い、腕を磨いたといいます。たしか、柚月裕子もそうだったのではないか。

 登場する作家を登場順に記しておくと、法坂一広、友井羊、浅倉卓弥、式田ティエン、上甲宣之、柳原慧、ハセベバクシンオー、深町秋生、水原秀策、海堂尊、水田美意子、伊園旬、高山聖史、増田俊也、拓未司、桂修司、森川楓子、山下貴光、柚月裕子、塔山郁、中村啓、太朗想史郎、中山七里、伽古屋圭市、高橋由太、七尾与史、乾緑郎、喜多喜久、佐藤青南。

 全編を読んだ後のインプレッションとしては、読んでいる間はそれなりに楽しいけれども、やはり短篇は記憶に残らずあっけない――というところでしょうか。続編は今後随時読んでいくことでいいと思うけれども、急いで買い揃えてまとめて読むほどのものではないように思いました。
(2022.4.4 読)

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   新潮文庫  550円+税
   2021年7月1日 第1刷発行

 3月に読んだ「旅先のオバケ」から1か月経たないうちに手にしたシーナ本。
 小学生で手に取り、夢中で読んだヴェルヌの「十五少年漂流記」。冒険への憧れも探検家になる夢も、すべてはこの本との出会いから始まった。それから半世紀、シーナのもとに運命的な誘いが舞い込む。あの物語のモデルとなった島に行かないか――。胸を躍らせながら、作家は南太平洋へ。15人が漂着した〈チェアマン島〉に辿り着けるのか。少年の頃から抱き続けた夢が壮大に羽ばたく紀行エッセイ。(カバー背表紙から)

 ヴェルヌの小説の舞台になったところに実際に自分の足で立ってみるという行動と、それにともなう思考の記録です。
 「はじめに」に書かれていることを読むと、「十五少年漂流記」は小説なので、物語のモデルになった島が存在するはずで、長いことヴェルヌを研究する解説・概説書などに語られていたといいます。そしてその島は、アルゼンチン南端のパタゴニア、マゼラン海峡にあるハノーバー島だろうといわれ、それが通説になっているのだそうです。ところが、あることがきっかけになり、本物のモデルの島は別のところにあるのではないかといった「秘密」が隠されているようなのです。

 通説になっているハノーバー島は、島嶼群に囲まれていて絶海の孤島とは言えず、少年たちが容易に生き延びられるような気候風土でもありませんでした。そのことを現地に立って覚った椎名一行は、その足でニュージーランドの東800kmほどのところにあるチャタム諸島のチャタム島へと赴きます。そして、実際にその島の風景に身を置いたとき、漂流記に描かれていたことが自然に思い出され、モデルとなった場所はここだったのであろうと、謎は一気に解けていくのでした。

 240ページに満たない薄い文庫本で、字も大きいためにすぐに読み終えてしまうようなもので、はじめの70ページ余りは本編に入る前のウォーミングアップということで、シーナが世界のあちこちで体験してきた経験を披歴する部分になっています。しかしこの部分は、シーナの著作に少なからず触れてきた読者ならば、またかよといった内容で、重複感にややウンザリします。この部分は不要だと思うな。だが、これがないとたったの170ページになってしまうわけで、編集者としては悩ましいところだったのだろうと想像します。
(2022.4.3 読)

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   朝日文庫  480円+税
   1985年7月20日 第1刷
   2005年1月30日 第22刷発行

 「北海道の諸道」は、司馬らが1978年9月に巡ったみちで、半世紀近くも前のこと。そして、氏が新聞社勤めだったさらにその21年前に、作家の今東光に同行した時のことを思い出しながら、千歳から函館へと向かう飛行機に乗っているところから、記述が始まっています。
 「幼稚園の頃、津軽海峡をロシアの軍艦が3隻通ったんだよ」という今東光の言葉を思い出し、その事態は日露戦争初期の頃の「浦塩艦隊」のことなのですが、司馬は1904年という遠い過去の話を、ついこの前あったことのように書いているのでした。優れた人間の記憶とは、そういうものなのかもしれません。
 函館では、この地を拠点にした廻船業者、高田屋嘉兵衛について思いを巡らせています。ロシア軍艦に捕えられ、カムチャツカに幽閉されるなど数奇な人生を歩んだ人物です。2020年6月に四国へと向かったわが車旅では、淡路島の洲本市内で高田屋嘉兵衛の旧邸跡に行き当たり、一通り見てきた記憶があります。

 松前藩の城下町だった現松前町や、復元された開陽丸がある江差を巡る部分では、多くのページを割いて、榎本武揚の人となりや経歴、戊辰戦争から箱館戦争に至る当時の彼の行動などについて述べています。
 そのなかの話のひとつとして鰊のことを取り上げていて、東北地方では鰊を「カド」とも言うが、ニシンは「ヌーシィ」というアイヌ語からきたもので、もともとの和名がカドであること、そして数の子は本来「カドノコ」だったことが記されていました。ナルホドな、司馬の記述にはためになる部分も多いです。

 画家・三岸好太郎(1903~34)や作家・子母沢寛(1892~1968)の故郷の地である厚田村や、大和の吉野山塊で未曽有の災害に遭った十津川村の村民が移住した新十津川村にも足を運んで、本土からの移住者や囚人、屯田兵など、酷寒に耐えた人々に思いを馳せています。
 北海道の住居は、水田耕作が成立する本州の住宅要素をそのまま北海道に持ち込んだだけのもので、火鉢以外にストーブなどの火で暖を取れるようなつくりになっていず、窓を減らすことぐらいしか寒さ対策が取られていなかったと司馬は述べています。2019年の北海道への車旅では、滝川の江部乙、士別、湧別など各地で保存された屯田兵舎を見てきましたが、どれも外壁は薄板1枚で、これで外の寒さが緩和されるとは到底思えないものなのでした。
 このあと、留辺蘂町の温根湯温泉に1泊し、寒さ日本一の陸別にも立ち寄っています。
(2022.4.1 読)

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   講談社文庫  580円+税
   2016年6月15日 第1刷発行

 続編の「それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている」(2020)は去年11月に読んでいて、順番は前後するけれどもはじめのものも読んでおこうと思って購入したもの。人間の食欲を満たす店を扱うこういう書物は、まずもって肩が凝らずに読めるし、今後何を食べるかの参考にもなるし、いいことずくめなのだ。

 登場する35店を列挙すれば、次のとおり。
 吉野家、山田うどん、CoCo壱番屋、びっくりドンキー、餃子の王将、シェーキーズ、サイゼリヤ、かっぱ寿司、ハングリータイガー、ロイヤルホスト、マクドナルド、すき家、レッドロブスター、蒙古タンメン中本、やよい軒、牛角、カラオケパセラ、くるまやラーメン、とんかつ和幸、PIZZA-LA、ビッグボーイ、鳥良、築地銀だこ、日高屋、バーミヤン、ケンタッキーフライドチキン、てんや、どん亭、Sizzler、A&W、リンガーハット、ビリー・ザ・キッド、東京チカラめし、野郎ラーメン、ファミール。
 すごいなぁ、これらを食べ歩くだけで数か月はかかりそうだ。心なしか「それでも……」よりもこちらのほうが、読み応えがあるように感じます。

 「文庫版あとがき」から拾っておくと当著は、著者が32歳だった2007年から14年頃にかけて月刊「散歩の達人」誌上に連載し、その時気になったチェーン店へ行ってあーだこーだと言い続けたことを加筆修正したものであるとのこと。最初のうちは「安くてウマくて腹いっぱい」に最も主眼を置いた、30代独身男子のどうしようもないジャンクなチェーンメシ事情を書いたといい、20代の感覚を引き延ばそうと一生懸命足掻く姿が滑稽だと振り返っているのでした。
 でも、こうやって35ものチェーン店を一望すると、どの会社もおいしくて客受けするものをいかに安く提供するかに真剣に取り組んでいる様子がうかがえ、アナドレナイ実力を秘めているのだなと再認識することができました。

 ところで、著者の村瀬秀信ってナニモノ?! エンタテインメントとプロ野球をテーマに雑誌・Webへ寄稿するフリーライターとして活動しているとのことですが、高卒後に全国を放浪していた時期があるようです。その一端はA&Wの項で読み取れます。西表島のサトウキビ農家に半年ほど住み込みで働き、月に一度行く石垣島でA&Wのルートビアを飲んで、わずかな都会気分を味わっている場面で知ることができます。1990年代のことのようだから、当方が盛んに八重山にアプローチしてよくエンターで涼んでいた時期と重なるのでした。
(2022.3.29 読)