2021.03.02
慈雨 ~柚月裕子

集英社文庫 760円+税
2019年4月25日 第1刷
2019年6月16日 第5刷発行
2021年に入ってから読み上げた1冊目。ここから年間100冊読破を目指す2021年の読書の旅が始まります。
警察官を定年退職した神場智則は、妻の香代子とお遍路の旅に出た。
42年の警察官人生を振り返る旅の途中で、神場は幼女殺害事件の発生を知り、動揺する。
その事件は、あの事件と酷似していた。
それは16年前、自らも捜査に加わって犯人逮捕に至ったものだったが、ある理由から神場の心に深い傷と悔恨を残していた――。
神場は、かつての部下で、養女の幸知と交際中の緒方を通して捜査に関わり始め、消せない過去と向き合い始める。
組織への忠誠、正義への信念……様々な思いの狭間で葛藤する元警察官が真実を追う。
最近読み始めた柚月裕子の作品の中ではこれが秀作だという情報を得て、手にしたもの。
読後感は極めて満足のいくもので、気持ちにすんなり入ってくる文章、優れた心理描写、ワクワクする展開などに絡め捕られて、静かに感動してしまいました。
少し前に四国を旅して四国八十八か所霊場のうち22寺を見ていたので、それなりにお遍路をイメージできたことも理解を深めたのかもしれません。
「臨床真理」「孤狼の血」そして当著と読み進めて、柚月裕子作品はここまでと思っていたけれども、こう面白いと、もう少し読んでみたくなりました。
(2021.1.1 読)
2021.03.03
太田和彦の居酒屋味酒覧〈決定版〉精選204 ~太田和彦

新潮社 1,000円+税
2016年12月15日 第1刷発行
太田の「居酒屋味酒覧」の初出は2004年。それが4度版を重ね、2016年に「決定版」と銘打って発売されたのがこれで、2020年現在では最新のものとなっています。
新規収録60件、掲載大幅増の204店。各店の特徴を示す名酒・名料理・名居心地別推奨に加え、新たに歴史ある建物・造作を顕彰する「日本居酒屋遺産」を選定しています。
「いい酒いい人いい肴」を知り尽くした達人厳選の旬な店がここに! 旅行、出張、街歩きに、これさえあればいい店選びには困らない!! ――とのことです。
居酒屋に関しては、興味はあるものの自分の探訪歴は浅く、この本に登場する店の中で実際に入店しているのは、「ばんや」(八戸)、「久村の酒場」(酒田)、「斎藤酒場」(十条)、「まるます家」(赤羽)、「うりずん」(那覇)ぐらい。「独酌三四郎」(旭川)や「こつこつ庵」(大分)などは店を見てきています。
目次の店名を見ていると、太田和彦の居酒屋番組以外にも「吉田類の酒場放浪記」などでも取り上げられているところが多く、知っている店ということでは結構な数があります。
これらの店は確かによさそうですが、自分の場合、日本酒はそれほど飲まなくてもよく、飲んでいる間は誰とも話さずに一人で静かにやりたいタイプなので、大箱の大衆酒場の片隅やうらぶれた町中華などで、瓶ビールやサワー系の飲み物を片手に焼き物や煮込み、やっこ、中華料理などの大衆的なものをつまみながらマイペースでやりたい。なにもその土地で揚がった高級魚の煮魚や刺身などで高級酒をツイー……とやらなくたって、十分に満足できるのです。
したがって、旅に出ているときにもこの本に頼ることもなさそうです。
(2021.1.4 読)
2021.03.04
まかちょーけ 興南甲子園春夏連覇のその後 ~松永多佳倫

集英社文庫 680円+税
2020年7月25日 第1刷発行
松永多佳倫の沖縄高校野球ものを読むのは、「沖縄を変えた男 栽弘義―高校野球に捧げた生涯」に次いで2冊目。
2010年、沖縄・興南高校が成し遂げた史上6校目の甲子園春夏連覇。島中が歓喜と興奮に包まれた。あれから10年。プロに進んだエース、大学在学中に公認会計士試験に合格した元選手、辺野古生まれの幼馴染、沖縄から高校野球を変えようと強き信念を持ち続けた監督など、多士済々の選手や監督のその後に迫る。あの熱狂をもう一度。(カバー背表紙から)
多くの野球関係者のみならず、興南高校野球部の2010年度卒業生部員45名のほとんどから話を聞き、書き綴った労作。
章立ては、「散った春夏連覇投手 島袋洋奨」「究極の文武両道 国吉大将・大陸」「未完の大砲 眞榮平大輝」「本音の辺野古 我如古盛次」「沖縄を変える男 我喜屋優監督」「特別対談 我喜屋優監督×島袋洋奨」。
高校時代に輝いた彼らの中からプロ野球で大成する人物は現れませんでしたが、社会に出てからきちんと通用する大人になれるようにするという我喜屋監督の薫陶を受けて、選手たちが各分野でそれぞれの道を地に足を付けて歩んでいる様子を読み取ることができました。
蛇足になりますが、「本音の辺野古 我如古盛次」の章には、連覇メンバーのキャプテン我如古盛次とライト5番の銘苅圭介はともに名護市久志の出身とあり、「2020年の今年、春夏連覇の偉業を讃えて我如古と銘苅のモニュメントが久志に建てられる予定だ」と書かれていました。
興味が湧いたので調べてみると、沖縄の2紙に、それは2020年11月1日に完成していて、モニュメントは、「久志区野外運動場」に建立されたとありました。
名護市久志は、先の沖縄ステイ(2020年1~3月)時に集落内まで入り込んで、「久志のガジュマル」や「久志若按司御位牌安置所」などを見てきています。運動場は、集落の北側にあった「久志公園」のことのよう。またいつか沖縄に行く機会には、この地も訪れて、記念碑を見てみたいと思います。
(2021.1.10 読)
2021.03.06
碑のある風景―足でまとめた奄美大島史 ~籾 芳晴

大和学芸図書 2,300円
1980年4月30日 第1刷発行
2016年5月に奄美大島と加計呂麻島の歌碑めぐりの旅をして、それらの碑や奄美の歴史を知るにはこの本は避けて通れないだろうと考えて、帰宅後すぐに入手した古い本です。
1980年に出版されたものを古書で買ったところ、紙が茶色くなり埃っぽい感じのする古色蒼然たるものだったので、しばらく本棚で眠っていましたが、このたびようやくページを開いてみました。横になって読むとたちまち鼻がぐすぐすになりそうなので、終始デスクで姿勢を正して読みました。なんたって40年以上も前の本ですから。(笑)
もともと南海日日新聞に100回にわたって連載されたものを、のちに1冊にまとめて単行本として出版されたもの。巻頭の栄喜久元(奄美の民俗研究家)の文章によれば本書は、「奄美8島を通したもので、碑石に刻字のあるものは収載し、それを参考文献と古老からの聞き書きで補い、著者の見解を付してある。刻字のないものについては、文献と口碑をもとにして筆者の見解が加えられている。……この「碑のある風景」が島の歴史を実証する資料として、また資料が乏しいといわれる奄美の歴史の欠落部分を補う貴重なものである」と記しています。
読んでみて初めて知ったことが多いです。歴史の奥深くまで入り込んでいて、観光気分では行けないようなものまで登場します。
第1章では、直川智、丸田南里、朝虎松、昇曙夢、泉芳明などの「奄美の近代を拓いた先覚」について、第2章は、西郷隆盛、村田新八、重野安繹、名越左源太、実久三次郎などについて述べた「道の島の流人たち」、第3章は、母間と犬田布騒動、諸鈍の史跡、ムチャカナ、笠利鶴松、ばあ加那、カンツメ、イマジョなどについて描かれた「鬼哭啾々、圧政の歴史」、第4章は、芦花部一番の碑、塩道長浜、嘉徳・鍋加那の碑、節子のトミなどの伝説を追う「島を彩るロマンと伝説」、第5章は、赤木名の戦没者慰霊碑、戦艦大和の碑、蘭館山の殉職慰霊碑、塩浜の塩田記念碑、篠川農学校の碑などを扱った「悲惨な島々の戦跡」――となっています。
実際に現地まで足を運んで見てきているところもあるので、興味深く読めたところ。もちろん本書で初めて触れることができ歴史上のエピソードも多くあり、それらを知ることでさらに奄美の島々の魅力に気づかされました。
ついては、喜界島が未踏になっているのでそこと、可能であれば請島・与路島にも足を延ばす旅を企画してみたいと思ったところです。
(2021.1.12 読)
2021.03.07
おらおらでひとりいぐも ~若竹千佐子

河出文庫 630円+税
2020年6月20日 第1刷
2020年10月30日 第4刷発行
74歳、ひとり暮らしの桃子さん。
おらの今は、こわいものなし。
結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した桃子さん。
身ひとつで上野駅に降り立ってから50年――住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、2児の誕生と成長、そして夫の死。
「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」
40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。
捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いたものとは――。(出版社のHPから)
青春小説の対極、玄冬小説(歳をとるのも悪くないと思えるような小説)の誕生! 新たな老いの境地を描いた感動作。――とのことです。
著者は、1954年岩手県遠野市生まれ。岩手大学卒業。55歳で小説講座に通いはじめ、8年の時をかけて本作を執筆。2017年、本作で第54回文藝賞を史上最年長の63歳で受賞してデビュー。翌年、第158回芥川賞受賞。
いいですねぇ、東北弁も。
芥川賞選考委員の選評をいくつか、以下に拾っておきます。
「「おらおらでひとりいぐも」という作品の底に流れているのは、生きていることのぬくもりではないだろうか。そしてこのぬくもりは、作者がその人生を賭けて勝ち取ったものである。」(吉田修一)
「アメリカ南部のひなびた田舎町で聴いたブルースの掛け合いを思い出した。ファンキーで力強く、そして、どこか哀しい。もはやこれは東北弁であって東北弁ではないね。若竹節と言えるかも。野蛮で秀逸。」(山田詠美)
「74歳の女性の内面は、複雑な思弁に満ちていて、過去、現在、未来へと縦横に行き来するが、たぶんさほど多くはないであろう未来への向日性に富んでいる。このような深さは、やはりある程度の年齢を重ねてこなければ書けないもののようだ。」(宮本輝)
「従来の方言は、土地の力や霊異を宿していささか古めかしく発色したけれど、桃子さんの岩手弁は老いへの挑戦状であり、裡なる対立をエネルギーにして未来へと疾走する。自分の裡にある言語同士が鬩ぎ合い、状況によってどちらかが表面に出てくるという姿は、実は誰にでも日常的に起きている。多言語化は国際的な場だけでなく、個人の中の現象でもあることを発見させてくれた。」(高樹のぶ子)
「「おらおらでひとりいぐも」一本を推そうと決めて選考会に臨んだところ、選考委員のほぼ全員がこれに票を投じて、開始早々に受賞が決まった。本作はひとりの老女の内面の出来事を追うことに多くの頁が割かれて、彼女の記憶や思考を巡る思想のドラマが一篇の中核をなすのであるが、こうした「思弁」でもって小説を構成して強度を保つのは一般に難しい。ところがここではそれが見事に達成されている。」(奥泉光)
(2021.1.13 読)
2021.03.08
抗いと創造―沖縄文学の内部風景 ~大城貞俊

コールサック社 1,800円+税
2019年5月18日 第1刷発行
沖縄の詩に関する文芸論。
沖縄は、「詩の島、歌の島」と称され、詩歌を中心に文学活動が盛んな土地柄です。詩人で作家、評論家、研究者の著者は、本書では平成期の詩歌を中心に沖縄文学の歴史と特質を論じています。
沖縄文学のテーマや作品には、独特の言語の問題、ウチナーンチュとしてのアイデンティティー、差別や偏見との闘い――などの特徴があるとして、「本土の他地域にみられない特異な作品世界をつくっている」としています。さらに、「死者の視点を忘れるなと呼びかける戦争体験」が、常に表現する意味を沖縄文学に問いかけていると指摘しています。
巻末の「解説」で鈴木比佐雄(詩人、評論家、編集者で、コールサック社の創業者)は、「本書は「沖縄文学」と「沖縄戦後詩」の重層的な関係を考える際に最も相応しい論考集として読み継がれていくに違いない。また新たな「沖縄文学」を「しまくとぅば」を駆使して創造しようとしている若き表現者たちにも大きな示唆を与えるだろう。」と締めくくっています。
第1章では、「沖縄文学の特質と可能性」として、沖縄現代詩の軌跡、沖縄戦争詩の系譜と現在、沖縄文学の特異性と可能性、機関誌「愛楽」にみる「沖縄ハンセン病文学」、山之口貘の詩から見えるグローバル社会における詩教材の可能性、近・現代の文芸と韻律などを明らかにしています。
第2章では、平成期を1990~99年、2000~09年、2010~17年に区分して、沖縄平成詩の軌跡と表現について、第3章では、詩人論として、市原千佳子、佐々木薫、網谷厚子、沖野裕美、宮城松隆、中里友豪、牧港篤三、知念榮喜、船越義彰、清田政信をピックアップして詳説しています。ほかに「沖縄平成期の詩集出版状況(1989~2017年)」なども。
琉球新報に2019年5月26日付けで書評が載っていたので、以下に引用しておきます。
・「抗いと創造―沖縄文学の内部風景」 10人の詩人への鋭い批評
「文学の不毛の地」と言われることもあった沖縄では、しかし優れた小説や詩が脈々と書かれ続けてきた。本書は、1989年から2018年までの沖縄で生まれた、あるいは沖縄に関わる詩について文学史的に紹介、批評したものである。これまで著者・大城貞俊は「沖縄戦後詩史」「沖縄戦後詩人論」などの文学史や詩人論を公刊してきたが、本書はその姉妹編にあたる。とりわけ白眉は第3章に収められた詩人論であろう。10人の詩人に対する躍動感あふれる、そして鋭い批評を読むことができる。なかでも牧港篤三論と清田政信論が目を引く。詩に関わり続けた著者ならではの円熟の批評であろう。
書籍タイトルに使われている「抗(あらが)い」と「創造」は、一方で「これまでの書き手」と「新しい書き手」のことである。とはいえ注意が必要である。なるほど新しい書き手の表現には新味がある。しかし大城はそれを受け入れつつも、状況や生活世界から離れてしまうこと、沖縄戦というテーマが薄れること、そして難解な内面表現に傾倒しすぎることへの違和感を――表立ってではないものの――投げかけているからだ。そのため「創造」には不透明感がつきまとっているようにも見える。
他方で「抗い」のなかの「創造」も本書から読み取ることができる。例えば芝憲子「海岸線」には、買った大根が気づくと人の足になり、それを市場のおばさんに見せたところ「うちの人の左足」と答える場面がある。ここで読まれるのは、人々に沖縄戦を幻視させていく詩語である。つまりそれは戦争そのものへの「抗い」であり、そのために「創造」された言葉である。したがって「抗い」と「創造」は多面的に絡み合う必要がある、というのが本書のメッセージの一つであろう。現状に抗いつつ内面を注視したとされる清田政信論が本書の最後に置かれているのも、この絡み合いこそが沖縄の現代詩の課題だと大城が考えているからだと思われる。豊かな詩の歴史とその困難を知る上で、本書の果たす役割は大きい。(呉世宗・琉球大学教員)
(2021.1.14 読)
2021.03.09
神の島のこどもたち ~中脇初枝

講談社文庫 840円+税
2020年8月12日
昨秋に読んだ中脇初枝「神に守られた島」とは表題が異なるので別の本かと思って購入しました。ところが中身は2作に分かれていて、半分以上が「神に守られた島」でした。読み始めてすぐに、ああ、これは読んだなと。
そして、その続編として「神の島のこどもたち」が収録されていました。
「神に守られた島」ではまだ子供だったカミでしたが、時は進んで1952年。高校2年生になったカミは、神戸に行った幼なじみのマチジョーを想いながらも、家族や友人と沖永良部島で暮らしていました。しかし、いつまで経っても島は米政府の統治下に置かれたまま、復興が進み豊かになっていく日本本土から分離されていました。カミたち島民は、悲願である本土への復帰を訴えるため、活動を始めますが――。
朝⽇新聞に掲載された文芸評論家斎藤美奈子氏の書評を以下に引用しておきます。
・神に守られた島 2018年09月08日
沖永良部島って、知ってます? 鹿児島県なんだけど、奄美群島の、もうすぐそこは沖縄っていう場所にある珊瑚礁の島だ。
西郷隆盛が流された島だっけ、くらいのイメージしかない人も、本書を読めば認識が一変するだろう。
「神に守られた島」は小説である。舞台はしかも戦争末期だ。人々がえらぶと呼ぶ島には、ヤマトゥ(本土)から来た守備隊の兵隊さんたちが駐屯している。沖縄に向かう特攻機らしき飛行機が見えると、大人も子どもも大きく手を振る。
〈「特攻隊のおかげで、えらぶにはアメリカが来ないんだよー」/「感謝しないといけないよー」〉
語り手の「ぼく」ことマチジョーは島の国民学校の生徒である。天気のいい日は上空にグラマン(アメリカ軍の戦闘機)が飛び、空襲もしょっちゅうだ。少年たちにとってはしかし、それが日常。空襲も〈こわくないよ。もう慣れた〉。
梅雨時のある日、エンジンが故障した特攻機が島に不時着した。特攻隊員の西島伍長はケガをしたが命は助かった。うなだれる伍長と、ごちそうや唄や三味線で歓待する島の人々。だけど、息子が戦死したじゃーじゃ(おじいさん)は質問せずにいられない。〈やはり、特攻隊員というのは、志願されるんですか〉
砂糖を炊き、牛を引くのどかな暮らしと、特攻機が飛ぶ風景が同居した島。地上戦の舞台になった沖縄とも、都市への空襲が相次いだ本土とも異なる固有の戦争体験を、忘れ物でも拾いにいくように、作者はていねいに描き出す。
新聞もラジオもないえらぶの人々が敗戦を知ったのは玉音放送の13日後。奄美群島が米海軍の統治下に入ったことを知るのは、守備隊が去った後だった。
ちばりよ 牛よ さったー なみらしゅんどー。作中の島唄がしみる。日中韓を舞台に戦争に翻弄された少女たちを描く前著「世界の果てのこどもたち」に続く良質な反戦小説である。
(2021.1.17 読)