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 2021年7月14日(水)。
 外が明るくなったのを察知して、5時起床。そう感じたのは、窓のカーテンが大きく開いていたためだ。旅の日々になるといつも早寝早起きになる。本来ならば日の出とともに活動し始めるこういう日々が、生物としての人間の自然なあり方なのだろう。
 8時までみっちりログ付けをして、前日分をコンプリート。だが、一昨日分の残りは後回しにしたままだ。
 この日は、八甲田山系をメインにして、その前に七戸、十和田を見てくるというルートでどうだろうか。夕方は青森市内でまた飲もうか。

 8時半にスタートし、高速は使わないというポリシーを貫いて、往復八甲田山系の同じ道を使う計画でいく。青森市内は陽射しが眩しいくらいに晴れていたのに、R394あたり山岳道路に入るとたちまち濃霧が広がって霧雨状態に。山の天候はわからないものだ。八甲田山系の見どころは復路にまわそう。

 まずは10時頃に到着した七戸町から。
 七戸町役場の目の前という好立地にある「旧七戸郵便局」。
 1928年に建設された特定郵便局舎。4間半四方の木造総2階建てで、昭和初期の意匠の流れをよく示している。正面の玄関には所有者と思われる姓名の記された表札が出ている。とすれば、2000年に有形文化財として登録されたとは言っても個人の管理となり、なかなか手が回らないだろう。実際かなりくたびれてきている感がある。
 昨日の旧金木村もそうだったが、七戸町の中心部も過疎化の進行が著しいように見える。

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(旧七戸郵便局)

 「道の駅しちのへ・七戸町文化村」に立ち寄る。
 大きな道の駅でまだ新しく、24時間トイレも立派。こんな道の駅ならここにステイしてもよかったと思うぐらいだ。
 県内の道の駅としては屈指の商品数を取り揃えているという物産館の「しちのへ産直七彩館」は、町の中心部とは違って大賑わいしている。魅力的な総菜がたくさん並んでいてつい買いそうになってしまうが、ここはぐっと我慢して買わない。昼食で食べたいものがあるからなのだ。

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(道の駅しちのへ・七戸町文化村)

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(「しちのへ産直七彩館」は、町の中心部とは違って賑わっている)

 七戸町の最後は、「南部縦貫鉄道旧七戸駅」。
 南部縦貫鉄道線は、沿線の開発を目的に自治体が資金を拠出して1962年の開通。野辺地と七戸を結んでいたが、1997年に休止し、2002年に廃止されている。
 七戸町観光協会が、南部縦貫鉄道旧七戸駅の構内を一般公開している。駅前には広々とした空き地があり、かつては賑わった大きな駅だったことを彷彿とさせる。やたらと古臭い建物にも味があるように感じる。プラットホームと線路もくたびれるがままの形で残っている。土日は機関車の一般公開もやっているようだが、この日は見られなかった。

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(南部縦貫鉄道旧七戸駅)

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(プラットホームや線路は変に手が加えられていない)

 次は十和田市へ。
 「十和田市現代美術館」の駐車場に停めるが、11時を回って昼どきが近いので、まずは十和田に来たならこれを食べなきゃと下調べしていたバラ焼きを食べにいく。
 バラ焼きとは、約60年前の青森県三沢市を発祥とし、十和田市などの南部地方へと広まったご当地グルメだ。大量のタマネギとバラ肉を醤油ベースの甘辛いタレでからめ、鉄板で水分がなくなるまで炒めて食べる料理で、十和田市内にはバラ焼きを提供している店舗が約80店舗強あるという。
 その雄のひとつの「司バラ焼き大衆食堂」にて、十和田バラ焼きランチ1,000円を。ここは煙が籠らない屋台風の店になっている。焼き始める前の鉄板はこんな感じ。バラ肉がてっぺんでこんもりとした塔のようになっていて、タワー焼きというのだそうだ。
 店員さんからご指導いただいて焼き上げ、熱いところをめしと一緒に食べればおいしいに決まっている。市販のタレとは異なるこの甘辛い味がポイントなのだろうな。ほかには溶き卵のお澄ましと漬物。おいしかったねえ。

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(「司バラ焼き大衆食堂」の十和田バラ焼きランチは、ここから焼き始める)

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(焼き上がりぃ~♪ あっひゃあ、うまそう!)

 「十和田市現代美術館」の前の通りは、「官庁街通り駒街道」といわれる幅の広い通りになっている。
 馬産地だった十和田市には旧陸軍軍馬補充部が設置されていて、戦後間もなくこの施設の用地が開放され、その際に官公庁用地として整備されたところ。直線1km以上が幅36mの道で、両脇には多くの松と桜の木が植えられている。歩道には、奥入瀬渓流と稲生川をイメージした水の流れや、さまざまな馬のオブジェが配置され、野外ギャラリーの趣を呈している。1986年には「日本の道百選」のひとつに選ばれている。
 地方都市にもすごい道が遺っていたものだ。「十和田市現代美術館」の近くの通りには多くの現代アートも並んでいるのだった。

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(「官庁街通り駒街道」の1)

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(「官庁街通り駒街道」の2)

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(街道沿いにあった現代アートのひとつ)

 で、「十和田市現代美術館」。
 国内外で活躍するアーティストが製作したアート作品を展示しているのだが、それは展示室に限らず、中庭、屋上、階段室など、敷地のあらゆる空間で展開されていて、ふつうの美術館とは異なる趣を持っている。事前調査では入館料大人520円だったが、受付前に立つと1,200円となっている。入館すべきかしばし逡巡するが、せっかくだからと入館。
 はじめの展示室にあった巨大な女性像に圧倒される。だが、ワクワクしたのはここまでで、そこから先は何が素晴らしいのかよくわからない1部屋1作品の重厚長大な展示物が続く。うーむ……。見せる側の想いはたっぷりなのだが、見る側の自分としては現代アートに対する理解や素養などを持ち合わせていないものだから、両者の想いの間には限りないミスマッチが生じて、こちらはだんだん楽しくなくなってくる。また、館内はやたらと暑い。ということで、時間がもったいないので、途中からはほぼチラ見程度で済ませ、早々に切り上げてしまった。
 美術館を出た段階で正午。十和田市の正午のチャイムの音楽は「アマリリス」。

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(「十和田市現代美術館」の入口付近)

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(はじめの展示室ではこのようなデカいおばさんがお出迎え)

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