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   ボーダーインク  2,000円+税
   2008年10月1日 第1刷発行

 古書店にて安くなったなら買おうとずうっとマークしていて、送料込み799円になった2020年11月にようやく購入しました。
 沖縄の映画論についてはいくつかの名著があり、これまでに、「アンヤタサ!― 戦後・沖縄の映画1945‐1955」(山里将人著、ニライ社、2001)を先駆として、「沖縄映画論」(四方田犬彦・大嶺沙和編、作品社、2008)、「君よ観るや南の島-沖縄映画論」(川村湊著、春秋社、2016)を読んできています。
 また、沖縄の映画興行史がよくわかる「沖縄まぼろし映画館」(平良竜次+當間早志著、ボーダーインク、2014)も興味深く読みました。

 当書は、「多数の映画データ、初めての沖縄映画通史を収録! 沖縄映画の研究、資料収集を続けてきた著者が、実証的研究に基づき「沖縄映画へのまなざし」を分析する。沖縄映画を論じる基礎となる一冊」というもの。
 はじめの60ページほどを割いて「沖縄映画通史」について述べ、その後は200ページ以上にわたって沖縄劇映画に関する作品データがずらりと並んでいて、よくぞこれだけの映画をピックアップしたものだと感心させられます。

 資料的な内容なのでまとめて読む必要がないという利点があるものの、そうなるとつい放っておかれるようになって、読み始めたのは2021年3月だったけれども、読み終えたのは9月になってしまいました。
 各映画について、けっこう厳しめの批評が並んでいます。著者の世良利和は、1957年島根県大社町生まれ。金沢大学を経て岡山大学大学院修士課程修了。専攻はドイツ語圏の文学と映画だったのだそう。92年にコピーライターに転じ、ソフト販売会社の経営も手掛ける。この間、映画評論や小説を書きながら岡山大学ほかでドイツ語、文章表現を担当。2004年にはフリーのライター&編集者となり、映画を中心に論考やエッセイを発表している――とのことです。

 著者も「あとがき」で触れているとおり、沖縄映画に関しては、2003年秋の山形国際ドキュメンタリー映画祭で沖縄映画が特集されたことが大きなエポックになっているようです。あのときは自分も開催期間中毎日、多いときは3本沖縄映画を観まくったものでした。
 あのとき観たのは、「月城物語」「嘉手苅林昌 唄と語り」「私的撮夢幻琉球J・M」「Aサインデイズ」「パイナップルツアーズ」「夢幻琉球・つるヘンリー」「ウンタマギルー」「あじまぁのウタ」、そして映画祭終了直後に県内上映が始まった「ホテル・ハイビスカス」の9本でした。あんなに一生懸命になれた自分が懐かしいな。
(2021.9.8 読)

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