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   光文社文庫  427円+税
   1989年5月20日 第1刷
   1992年4月15日 第2刷発行

 2021年の100冊目の読了本となったもの。
 何はともあれ、ここに私の原点があることは確かである。この短編集の中に、今の私につながるいくつもの要素、それはパロディ精神であり、ものを奇妙な角度から見る視点の取り方であり、文体模写などであるのだが、それがちゃんと入っている。清水義範はここから始まった。話題のパスティーシュ小説の原点ともいえるデビュー作!(カバー背表紙から)
 ――という、1981年初出の短編集作品。

 当人は一応SF短編集のつもりで書いたものらしいのですが、「あとがき」で、科学的ではないし、科学的に間違っているところもあったとして、身を小さくして「一応」と語っているところが可笑しい。
 収録されている7編は、著者の趣味として、いずれも多かれ少なかれ既存の小説をもじったところがあり、パロディ風の仕上がりになっています。たとえば、「昭和御前試合」はどれというものではないものの時代小説の、「振らずの辰」は阿佐田哲也の麻雀小説の、「快楽インフェルノ」は名作「華氏451度」のパロディです。

 当方の備忘のために書き添えておくとこの本は、これまでずっと健康でいたつれあいが人間ドックで早期の腫瘍が見つかり、その除去のために入院したときに読んだもので、総合病院のデイルームでオペが無事に終わるのを待ちながら読了したものなのでした。
(2021.10.14 読)

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