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 ここで正午を迎えたので、小休止としよう。まだ無名だった秋月の「杉の馬場」に店を構えて今年で50周年を迎えるという「黒門茶屋」で、「蒸し雑煮」というものを食べてみる。
 秋月の郷土料理「蒸し雑煮」は、蒸すタイプの珍しい雑煮。江戸中期、長崎に伝わった茶わん蒸し料理が、長崎警備をしていた福岡藩に伝わる。さらに後期には、朝倉に置かれた分家の秋月藩も長崎警備を代行し、福岡藩とも親密だったため、特に朝倉地域にそれが広まった。当時、卵を使う「茶わん蒸し料理」は貴重で、正月の「雑煮」と並ぶご馳走だった。いつしかこの2つが合わさり、より贅沢な「蒸し雑煮」が生まれたという。
 蒸し雑煮700円。一見すれば、大きな茶わん蒸しといったところ。椎茸、鶏肉、海老、銀杏などが使われ、味わいも茶わん蒸しそのものだ。異なる点は、鮮やかな緑色の「かわたけ」という地元産の川海苔がトッピングされていることと、中に丸餅が2個入っている点。軽く食べるつもりだったのに、なかなか腹持ちがいいのだった。

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(「杉の馬場」にあった「黒門茶屋」)

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(秋月の郷土料理「蒸し雑煮」)

 バスがやってくるまでもう少し時間があるので、町場に下りてきて、「武家屋敷久野邸」を見る。
 秋月黒田藩直参の武家屋敷で、茅葺きの本屋と瓦葺きの二階建て離れ座敷、庭園と往時のままで再現されている。庭木にもしっかりと手が入れられて立派。蔵内には資料館があるというのだが、有料なので内部はパス。
 もう1軒、近くの「旧田代家住宅」。秋月藩上級武士の武家屋敷で、こちらは無料。

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(武家屋敷久野邸)

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(旧田代家住宅)

 目鏡橋バス停まで戻り、13時ちょうどのバスに乗って甘木に戻る。
 駅の手前の「昭和通り」バス停で下りて、甘木の街並みや西鉄甘木線の甘木駅などを見ながら甘木鉄道甘木駅へ。列車待ちの間、駅構内をなかば自由に歩いて写真を撮って時間をつぶす。甘木発13時47分の基山行きは、先ほども甘木駅で見た306の藤色の車両だった。

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(秋月の中心部にあった「秋月」バス停)

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(甘木駅に戻ってくる)

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(甘木駅の構内には、色の違う車両もいくつかあった)

 余力があるので、2駅先の太刀洗駅で下りて、2か所を見学することにする。
 「筑前町立大刀洗平和記念館」。戦前のこの地は、東洋一の大刀洗飛行場を中心とする一大軍都が存在し、発展してきたところなのだが、1945年3月、米軍の空襲で施設は壊滅した。記念館では、その大刀洗飛行場とその関連施設の概要、空襲や特攻に関する歴史を伝える資料を展示している。
 カメラを提げている当方に目ざとく気づいたガイドボランティアの爺さんから、零戦だけしか写真を撮ってはダメですよと告げられ、もしほかを撮ったらすぐにでも注意しようと思ってか、いつまでも見つめられているのがいやだ。
 シアターでは飛行場の歴史を紹介した映像を見ることができたのがよかった。
 入場料は600円だが、「太刀洗レトロステーション」との共通入場券なら800円だというので、そうする。

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(筑前町立大刀洗平和記念館)

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(録っていいのは零戦だけですからね)

 「太刀洗レトロステーション」。太刀洗駅の駅舎の一部を使っていて、昭和史を語る品々の展示と、戦時中のまま保存された太刀洗駅舎の「線路地下道」の見学ができる――という施設らしいのだが、ここに入ったのは失敗だった。展示物は粗大廃品の山といった状況で、埃だけでなく蜘蛛の巣がはっていたりして、ほとんど手がかけられていない感じだった。店守をしている老いぼれた爺さんが監視がてらずっとうしろをついてくるのがかなりウザイ。これで単品入場料500円って、ウソだろ。
 思いのほかくだらなかったので、時間が余ってしまい、自販機のジュースを飲んで休む。ここに寄らなければ1本早い便に楽に乗れたのに。
 15時半過ぎの列車で基山へ。

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(太刀洗レトロステーション)

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(「太刀洗レトロステーション」の内部)

 基山駅で、16時01分発の区間快速に乗り換えてJR博多駅へ。
 16時半頃に博多に着き、夕食をどうしようか考えて、まだ博多ラーメンを食べていないじゃないかと気づき、筑紫口側の新幹線乗り場に近い博多デイトス2階の、「博多めん街道」と称して12軒のラーメン店が並んでいる一角に行ってみる。各店舗のインフォメーションを眺めて、豚骨スープが濃厚だという「元祖博多だるま」という店に入る。
 ラーメン720円。ふんふん、確かにこてこてとろとろで濃厚。このきらいじゃない臭み、タマランなぁ。麺がストレートで極細なのにはどうにも馴染めないけれども、このスープにはやっぱりこの細麺しかないよなと思わせる説得力がある。
 で、こういう体のラーメンなんていうのは軽食の範疇でしかなく、あとは部屋飲みで補強だな。

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(「元祖博多だるま」のラーメンは軽食の範囲)

 17時半ホテル帰着。フロントで、今日からの3泊4日分のチェックインを済ませる。
 部屋に入り、大至急で服を脱ぎ、バスタオルで汗を拭き、エアコンを強めにして、しばらくの間クールダウンする。今日は1万7千歩だったか。ひたすら歩き回るこういう毎日にはぼちぼち足が慣れてきたようで、もう痛さはなくなりつつある。
 シャワーで汗を流し、日々のルーチン作業をやってからの今夜の部屋飲みは、19時過ぎ頃から。一昨日利用して気に入った「レガネットキュート博多BT」に今日も立ち寄り、大きな真アジフライ138円とつゆだく肉じゃが321円を調達してきたので、それらを肴に缶チューハイを飲む。

 飲み終えてから今日のドキュメンテーションをして、終わったのは22時過ぎ。カキモノに時間がかかっているが、その日のうちに終えられているうちは大丈夫だ。これが日を越えて後ろ送りになり始めると、書くこと自体が苦行になってくるものなのだ。
 さ、明日は遅発ちでもよさそうなので、もうちょっと飲んでから寝ることにしようか。
 23時15分にベッドへ。本はほとんど読めずに眠りへ。

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