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2022.08.15
オレンジデイズ 北川悦吏子

角川文庫 590円+税
2006年2月25日 第1刷発行
最近、2004年放送のテレビドラマ「オレンジデイズ」を再放送しているのを観ました。主人公役の柴咲コウの、常時世間にケンカを売っているような目つきがものすごく印象的でした。(笑) この番組に感化され、その原作になっている文庫本の古書をすぐさま注文したのがこれです。
大学4年の春、就職活動に明け暮れる結城櫂は、キャンパスでバイオリンを弾く萩尾沙絵に出会う。しかし、彼女は耳が不自由だった。櫂の仲間、翔平と啓太、沙絵の親友・茜の5人は、「オレンジの会」を発足。それぞれ将来について悩み、落ち込み、時にはけんかをし、彼らはかけがえのない季節を共に過ごす。それは友情から愛情に変わる時間でもあった――。(カバー背表紙から)
このテレビドラマの脚本を基に小説化したもの。そういうつくりなので、読んでみると内容はドラマとほぼ同じで、ドラマを見た後すぐに読んでしまえば、目新しいことが展開するようなことはまったくありません。各場面を、ドラマではあのような形で表現されていたよなと確認できるのはいいのですが、言い方を変えればその程度のことしか得られるものがないのでした。脚本の小説化という手法はそういうものなのかもしれません。
しかし、テレビドラマ向けのラブストーリーだとわかってはいるつもりでも、ラストシーンは文字を追うというやり方であっても、かなり感動してじーんときてしまった自分がいるのでした。
解説は、結城櫂こと妻夫木聡が執筆しています。妻夫木は、「オレンジデイズ」のように物語も役柄も本当に大好きで……、今振り返ると、撮影をしていた半年間はまさにオレンジ色に染まっていた感じ。リアルに青春してましたね。僕にとってこのドラマは、昔撮ったホームビデオみたいに、観るとすごく安心してあたたかい気持ちになれる作品なんです――と書いていました。
(2022.6.11 読)
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