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2023.03.19
大衆食堂に行こう 東海林さだお

だいわ文庫 800円+税
2021年4月15日 第1刷発行
安くて、うまくて、人情があり、物語もある……。「大衆食堂」は、いつだって僕らの味方だ! いわゆる定食屋から、チェーン店、立ち食いそば屋まで、外食の楽しみを探求し、笑いと共に書き連ねたエッセイ集。こんな時代だからこそ、読んで街の飲食店を応援しよう!(カバー裏表紙から)
東海林さだおのこれまでのエッセイ作品の中から、「大衆食堂」をテーマにした選りすぐりのエッセイを1冊にまとめたというつくりのもので、各項が具体的にいつ書かれたものかは記されていませんいが、読んでみると、価格などから類推すればかなり古いものもあるようです。「ひとり酒の時間 イイネ!」「ゴハンですよ」との3部作の完結編であるとのことです。
なお、「こんな時代だからこそ」というのは、新型コロナの蔓延で飲食店の利用客が大幅に減っていることを意味しています。この3年ほど、多くの飲食店では収入激減で大変だったろうと思います。これを機に、店主の高齢化と後継者不在のために惜しまれながらも閉めてしまった店を多く見ています。
構成は5章立てになっていて、ニッポンの昼食編、偏愛メニュー編、食べ方の流儀編、麺類について編、食堂で思い出づくり編。
このうち著者の偏愛メニュー編では、なぜか雨の日に食べたくなる愛するレバー、行きつけの「てんや」で食べる天丼、パスタではなく懐かしいスパゲティ・ナポリタン、1年ぶりに食べるヨシギュウ、生ビールのつまみとしてのカツカレーの誘惑、ビタビタとソースをかけて食べたいレストランのイモコロッケ、“ツキツキ、サクサク”が楽しいかき揚げ丼などが挙げられています。
2章の次には、「徹底分析対談」として、著者と定食評論家・今柊二による「正しい定食屋のあり方」についての対談も挿まれています。
読み口が軽いので楽しく、難なく読めました。
「ひとり酒の時間 イイネ!」も購入済みで、本棚で待機中になっています。
(2023.2.13 読)
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