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 2023年5月10日(水)。
 夜は気温が下がり、とても寒かった。この時期車内で寝るときは、上は薄手のトレーナー、下はスウェットパンツを着用し、敷き布団を1枚敷き、タオルケットと毛布を掛ければたいがいOKなのだが、前夜はこれでは足りず、明け方になってから念のために持参していたフリースを着込んでなんとか寒さを耐えた。
 4時台には外が明るくなり始めたので、5時起床。朝日とともに起きるのが、車旅の楽しさの一つでもある。さっそく外に出て、忘れないうちに朝日の中の「道の駅三本木やまなみ」の建物を撮る。大崎地域の玄関口として、観光・特産品販売のアンテナショップの役割を果たしている施設のようだ。

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(道の駅三本木やまなみ)

 ひと晩駐車した場所のすぐ脇にあった建物は、「大崎市三本木亜炭記念館」だった。
 道の駅三本木に併設された資料館で、「亜炭」の資料館とは珍しい。かつて「三本木亜炭」は良質の炭質と炭層でその名をとどろかせたといい、建物入口に展示されているオート三輪は実際に炭鉱で使用されていたものなのだそうだ。内部には模擬坑道や日本一の炭柱が展示され、亜炭の歴史がわかる資料等があるらしい。無料なので観たかったところだが、9時まで待たなければ開かない。

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(大崎市三本木亜炭記念館)

 この日の行動日程について考える。この時点でもう1泊することに決めてしまえば、のんびりと回れていいのだが、7時に開く大崎市古川のマクドナルドでログ付けをするのであれば、現在地の「道の駅三本木やまなみ」から北に進めばすぐなのだが、そうするならばここで1時間半近くも滞留して時間調整をしなければならない。だったらむしろ、東に進んで朝のうちに大崎市松山や鹿島台、美里町の小牛田、涌谷町の中心部のポイントを見てしまい、そこから北へと針路をとって、登米市迫町にある「マクドナルド佐沼店」まで走ってしまったほうがいいのではないか。そうすれば1時間半も時間のロスが省けるし、佐沼でゆっくりログ付けする時間も取れる。
 よし、そうしよう。そうなると、もう1泊はしなくても山形に帰れる可能性も出てくるよナ。まあ、今夜をどうするかについては、進み具合を見ながら途中で決めて行けばいい話だ。
 というわけで、5時35分に「道の駅三本木やまなみ」を発ってしまう。

 「発つ」とは言っても、この日の最初の立寄り地は道の駅のついでといった感じで、すぐそばにある「豆坂地蔵尊」だ。
 1765年、放火の大罪を犯して処刑された者の後世を弔うため、広瀬川の巨石で彫刻させたという石彫総高4mの地蔵尊。地震倒壊予防のためか、胸と背のあたりが板木で補強してある。一部にロープが張られて、危ないから近づいてはいけないよという雰囲気。なんだか地蔵様がある種の責め苦、拷問に遭遇しているようにも見える。お地蔵さまも地震には勝てないようだ。

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(豆坂地蔵尊)

 少し走って6時前、大崎市松山千石地区の中心部に至り、「松山酒ミュージアム華の蔵」着。
 この地域の銘酒「一ノ蔵」を醸す酒蔵の展示施設で、アニメと人形を使って酒づくりや酒の特徴・料理との相性などを紹介するとともに、昔ながらの酒づくりや酒の特徴を実際に使われていた道具に合わせて紹介している――という興味深いポイントだ。しかし、ここも9時半にならないと開かない。しょうがないので蔵の外観を撮影するにとどまる。時間のロスは減るが、早朝に立ち寄るポイントはつまらない。

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(松山酒ミュージアム華の蔵)

 その奥には「松山ふるさと歴史館」もあった。
 松山町の歴史を展示する郷土資料館で、「松山」にかかわる考古、美術、歴史的遺品を広く収集展示していて、特に伊達家の重鎮であった茂庭家の資料が充実しているという。また、当地出身のフランク永井の資料展示室もある。
 「松山酒ミュージアム華の蔵」と「松山ふるさと歴史館」があるこのエリアは、この地域の一大観光拠点として集中整備されているようで、立派な公民館も建っていた。

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(松山ふるさと歴史館)

 松山千石地区の少し北に位置する遠田郡美里町の「JR小牛田駅」にも立寄ってみる。
 古川に駅がつくられる東北新幹線の開業前は、鉄道の十字路として交通の要衝だったところ。駅周辺や駅舎の佇まいこそかつての栄華を損なっていない広さと大きさだが、駅自体は無人駅となり、この時間ということもあってかタクシープールには1台も停まっていない。
 しかし、駅前周辺の歩道には花壇が整備され、かつては繁盛したであろう「旅館旭館」の凝った建物がまだ現存していることに、ややホッとするところがあった。1913年創業の老舗旅館だったが、すでに閉館してしまっていることを、あとで知る。

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(JR小牛田駅)

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(旅館旭館)

 まだ開店していないと知りつつ少し遠回りして、大崎市鹿島台の「デリシャスファーム」にも立寄ってみた。
 多くの農家が栽培困難で生産をあきらめるという甘味と酸味のバランスのよい「デリシャストマト」を40年ほど前から生産し、トマト加工品やギフト商品などをつくっているところ。
 「デリシャストマトファームカフェ」が併設されていて、そこで供されるトマトを新鮮なうちに調理した野菜たっぷりの味噌ラーメンというものを食べてみたかったのだが、またいずれ何かの機会に。

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(「デリシャストマトファームカフェ」の味噌ラーメンが食べたかった)

 登米市迫町佐沼を目指す途中でJR石巻線を跨いだので、遠田郡涌谷町の「JR涌谷駅」にも立寄ってみる。石巻線なんて乗ったことがないし、こういう機会にでも寄らなければなかなか見られないだろうと思って。
 下り17本、上り19本と本数が異なるのはなぜなのだろう。国道346号から集落に入る交差点付近のつくりは、鶴岡市の旧藤島町のR345から入る道筋の風景とよく似ている。

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(JR涌谷駅)

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