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2023.06.03
20230602 金
5時前に覚醒してしまったので、昨夜早く眠った時間を取り戻そうと、読書を始める。昨夜読み残した「雀の猫まくら」を30ページ弱読んで、1日遅れの読了。
続けて5月17日以来となる「阿呆旅行」も読む。これはこの日のうちに110ページ。
「三景の末路――松島」では、当著の初出時である昭和40年代の松島の様子が記されている。人相のよくない男がすっと寄ってきて、かなり強引な客引きをしている。電話で予約している旅館を悪し様に言い、自分の宿に引き込もうとしていて、遊覧船の客引きもまた同様。著者は「こんな無礼な客引きの跋扈を許しておいていいのか」と地元観光協会を糾弾している。泊った旅館でも、女中を呼んで依頼する事柄はほぼすべて無理とかわされて埒があかず、女中の言葉遣いも不適切で、著者は「ふざけやがって、ふざけやがって……」とこめかみをぴくぴくさせているのだった。
このような時代の松島は自分も子供の頃に経験しており、その雰囲気はよくわかる。松島がよもや今でもこういう状態ではないことを祈るばかりだ。
松島のほかに、宇和島、庄内、神戸、松江、札幌、秋田など興味深い場所を扱っていたので、すいすい読めた。

(日本三景の一つ「松島」)
このところ、旅、孫の子守り、姉の帰国などが続き、その合い間にはわりと根を詰めてのカキモノをしていたので、少しゆっくりしたいと思っていた。今日は朝から一日雨だろうし、特に用件も入っていない。よし、では今日はのんびりと過ごそうか。
仕事もしないで毎日のんびりと過ごしているではないかと思われる向きもあろうが、それはまだ世の中のことを十分に知らず、仕事ばかりをさも一生の一大事のように崇めている愚な若者の考えそうなことだ。仕事以外のことでも案外日々せわしなく生活しなければならないもので、心が沸き立つ何かさえ持っていれば、自ずとそうなる。仕事ばかりしていると、それがなくなってからは寂しい人生を送ることになるぞ。
この4月にリニューアルオープンした表蔵王の県観光物産館「ぐっと山形」を、野菜類を買いがてら視察。この前食べた鶏団子の白菜鍋風がおいしかったというと、はりきったつれあいは大きな白菜を1個まんま買う。たったの220円。しかし、これを二人だけで食べられるのだろうか。
昼メシはそのついでに、フードコート内にある「山形キッチン」で2年11か月ぶりに食べる。前にもらっていた大盛り無料券がまだ使えて、醤油ラーメンの大盛り、780+0円。観光客相手の店でもあるので価格も味もあまり期待はしていなかったが、味はそこそこ行っていたと思う。
つるつるプリプリの麺は、たぶん酒井製麺所製。硬めの茹で具合がよく、意外やスープも熱々。でもまあ、麺もスープも市販の酒井の袋入り生ラーメンと異なるところがなく、よく言えば山形標準ではあるけれども、家で食べるものと変わらない感じだった。

(「山形キッチン」の醤油ラーメン)
夜からは、「この国のかたち六」(司馬遼太郎著、文春文庫、2000)を読み始める。
シリーズ最終巻となるもので、「巨星、墜つ――。1996年2月12日、10年間続いた「文芸春秋」の巻頭随筆「この国のかたち」は、筆者の死をもって未完のまま終わることになった。本書は、絶筆となった「歴史のなかの海軍」の他、書き言葉としての日本語の成り立ちを考察した「言語についての感想」「祖父・父・学校」などの随想、講演記録「役人道について」を収録。」――というもの。日本の未来に警鐘を鳴らし続けて逝った、不世出の作家の白鳥の歌だ。
この日は「歴史のなかの海軍」の5本をほぼ読みつくして50ページ。
この日の読書は調子がよく、合計190ページ読んだ。しかし一方で、自分にとって建設的なほかのことはほとんどやらなかったという一面もある。人間というものは、何もかにもきちんとやるなんてそもそも無理なのよ、ということだ。

(image)
22時前に就寝。
続けて5月17日以来となる「阿呆旅行」も読む。これはこの日のうちに110ページ。
「三景の末路――松島」では、当著の初出時である昭和40年代の松島の様子が記されている。人相のよくない男がすっと寄ってきて、かなり強引な客引きをしている。電話で予約している旅館を悪し様に言い、自分の宿に引き込もうとしていて、遊覧船の客引きもまた同様。著者は「こんな無礼な客引きの跋扈を許しておいていいのか」と地元観光協会を糾弾している。泊った旅館でも、女中を呼んで依頼する事柄はほぼすべて無理とかわされて埒があかず、女中の言葉遣いも不適切で、著者は「ふざけやがって、ふざけやがって……」とこめかみをぴくぴくさせているのだった。
このような時代の松島は自分も子供の頃に経験しており、その雰囲気はよくわかる。松島がよもや今でもこういう状態ではないことを祈るばかりだ。
松島のほかに、宇和島、庄内、神戸、松江、札幌、秋田など興味深い場所を扱っていたので、すいすい読めた。

(日本三景の一つ「松島」)
このところ、旅、孫の子守り、姉の帰国などが続き、その合い間にはわりと根を詰めてのカキモノをしていたので、少しゆっくりしたいと思っていた。今日は朝から一日雨だろうし、特に用件も入っていない。よし、では今日はのんびりと過ごそうか。
仕事もしないで毎日のんびりと過ごしているではないかと思われる向きもあろうが、それはまだ世の中のことを十分に知らず、仕事ばかりをさも一生の一大事のように崇めている愚な若者の考えそうなことだ。仕事以外のことでも案外日々せわしなく生活しなければならないもので、心が沸き立つ何かさえ持っていれば、自ずとそうなる。仕事ばかりしていると、それがなくなってからは寂しい人生を送ることになるぞ。
この4月にリニューアルオープンした表蔵王の県観光物産館「ぐっと山形」を、野菜類を買いがてら視察。この前食べた鶏団子の白菜鍋風がおいしかったというと、はりきったつれあいは大きな白菜を1個まんま買う。たったの220円。しかし、これを二人だけで食べられるのだろうか。
昼メシはそのついでに、フードコート内にある「山形キッチン」で2年11か月ぶりに食べる。前にもらっていた大盛り無料券がまだ使えて、醤油ラーメンの大盛り、780+0円。観光客相手の店でもあるので価格も味もあまり期待はしていなかったが、味はそこそこ行っていたと思う。
つるつるプリプリの麺は、たぶん酒井製麺所製。硬めの茹で具合がよく、意外やスープも熱々。でもまあ、麺もスープも市販の酒井の袋入り生ラーメンと異なるところがなく、よく言えば山形標準ではあるけれども、家で食べるものと変わらない感じだった。

(「山形キッチン」の醤油ラーメン)
夜からは、「この国のかたち六」(司馬遼太郎著、文春文庫、2000)を読み始める。
シリーズ最終巻となるもので、「巨星、墜つ――。1996年2月12日、10年間続いた「文芸春秋」の巻頭随筆「この国のかたち」は、筆者の死をもって未完のまま終わることになった。本書は、絶筆となった「歴史のなかの海軍」の他、書き言葉としての日本語の成り立ちを考察した「言語についての感想」「祖父・父・学校」などの随想、講演記録「役人道について」を収録。」――というもの。日本の未来に警鐘を鳴らし続けて逝った、不世出の作家の白鳥の歌だ。
この日は「歴史のなかの海軍」の5本をほぼ読みつくして50ページ。
この日の読書は調子がよく、合計190ページ読んだ。しかし一方で、自分にとって建設的なほかのことはほとんどやらなかったという一面もある。人間というものは、何もかにもきちんとやるなんてそもそも無理なのよ、ということだ。

(image)
22時前に就寝。
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