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   竹書房  762円+税
   2012年8月3日 第1刷発行

 大好きなFOOD本。
 「ある時は揚げたてサクサクの天丼を頬張り、またある時には濃厚なだし汁とともに肉のうまみが口いっぱいに広がるカツ丼に舌鼓を打ち、またある時には新鮮な魚介類が敷き詰められた海鮮丼をもりもりとかき込んでいく……。
 日本各地のステキな丼を食べ歩いてきた、お馴染み定食評論家・今柊二氏が死ぬ前に一度は食べたい丼の数々を紹介します。皆さんもぜひとも本書片手に気に入ったお店に行って何も考えずにハゲシく丼を食べてみてください。」(カバー裏表紙から)
 ――というもので、竹書房文庫から出たものとしては「定食ニッポン」「立ちそば大全」に続く一作。読むというよりも、配膳されたものを眺めるのが楽しみの食べ物ガイドで、当方にとってはこれが今柊二の読み物として5作目となります。

 運ばれてきたどんぶりの雄姿画像がたくさん載っていて、それらを見ているだけでも楽しいし、自分ならこの店を攻めてみたい!という誘惑に駆られ、なんならこれを食べにその地まで行ってみようか……などと無謀なことを夢想し、そうこうしているうちに、自分の好みとはこういうところにあるのだなと、一種悟りの境地に至ったりするのでした。

 登場する店たちがいずれも魅力的。「山手線一周がっつり丼巡り」「五大丼食べ歩き」「首都圏丼探訪」「日本全国地方丼行脚」の4章で紹介された店は59店。これらを全部列挙していては大変なので、ほんの一例として「日本全国地方丼行脚」の9店を挙げれば、次のとおり。
 釧路「泉屋」のポークスペシャルライス、札幌「霧の下」の花天丼セット、札幌「あずま」の豚丼チャーハン、名古屋「いし河」のどて丼、名古屋「せろり」の鉄板トントロご飯、大阪淡路「かわ」の他人丼、岡山「味司野村」のドミグラスカツ丼、岡山「ニコニコキッチンさんさん」のエビ×2オムライス、宮崎空港「夢かぐら」の冷汁定食。
 ……うーん、すごいな。メニュー名が入ると、文字たちが燦然と輝き始めるではないか。(笑)

 今柊二の文庫最新刊として「昭和平成令和定食紀行」(竹書房文庫、2021)があるので、根ごなれしたら古書で入手することにしよう。

(2023.8.3 読)

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