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   幻冬舎文庫  533円+税
   2001年8月25日 第1刷発行

 「私が自然に興味を持ち出したのは30歳を過ぎてからだった。それまで、アウトドアなどというものにはまったく興味がなく、毎晩ネオンの海にダイブして二日酔いの頭に迎え酒」
 ――仕事に疲れ、海と森と川以外には気のきいたものは何もない屋久島にやってきた著者は、美しい自然や不思議な出会いによって運命が激変した。魂の物語に誘う旅エッセイ。(カバー裏表紙から)
 ――というこの本。

 当方にとって田口ランディは、「忘れないよ!ヴェトナム」に次ぐ2冊目で、ヴェトナムの次は屋久島と、旅に対する視線の向かう先が自分と似ているような気がします。
 初出は1997年1月で、そのときの書名は「癒しの森 ひかりのあめふるしま 屋久島」だったようです。

 田口ランディは、屋久島を何度か訪れ、自分の興味や感性に基づいてきちんと自分の脚で歩ていることが読んでいてよくわかり、島の自然の素晴らしさを独自のやわらかい感性と筆致で綴っています。 屋久島の自然や人々などがはっきりと描かれていて、いい作品でした。旅モノとはかくあるべきで、こういう屋久島本を求めていました。

 実は先に、編集者を連れて次はどこ行くの?的に観光しているだけの「へなちょこ探検隊―屋久島へ行ってきました」(銀色夏生著、幻冬舎文庫、2001)を読んで失望していたのですが、それとはデキとして雲泥の差があります。銀色のほうは、ただの「売文」でしかないと思えてしまうほどの内容です。ひどい言い方ですが、その想いは素直なものだからしょうがありません。

(2023.10.25 読)

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