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 次は、「菅沼合掌造り集落」。
 旧上平村のほぼ中央、庄川の流れが方向を変える地点の右岸に広がる小さな集落だ。合掌造り家屋9棟をはじめ、土蔵や板倉などの伝統的な建物等を含めた地域が史跡に指定されている。
 駐車場となっている「南砺市世界遺産菅沼合掌造り集落展望広場」から集落を一望すると、素朴でのどかな景観を望むことができる。駐車場から少し東側がビューポイントだ。
 集落内には、塩硝の製造工程を人形や影絵等で紹介す「塩硝の館」や、古い民具、民俗資料を展示する「五箇山民俗館」があり、五箇山の歴史と伝統を学ぶこともできる。
 ここは相倉よりも規模が小さく、観光する人も多くない。駐車場から地下3階まで下るエレベーターとそのアクセス道となる長い歩道トンネルが整備されているのでそれらを維持する必要もあるのだろうが、駐車料金500円はチト高いよな。

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(展望広場から「菅沼合掌造り集落」を一望する)

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(五箇山民俗館)

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(茅葺屋根が密接している)

 県境を越えて岐阜県に入るところにある「合掌大橋」も、橋の北詰の展望所に車を停めて眺めてみる。
 R156のシンボル、地域のモニュメントとしての役割を果しているといい、塔の形が合掌屋根に似せてある。
 このあたりは橋を渡るたびに交互に岐阜県と富山県の行政区域に変わるのがおもしろい。

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(合掌大橋)

 「道の駅白川郷」で小休止。
 かやのみソフトクリーム350円を試してみる。「超大盛りになっちゃった」と笑顔のおばちゃん。ホントに大盛りで、急いで食べないと溶けてしまい、カメラを構える暇がない。結果、かやのみがどういう味なのかはよくわからずじまいとなった。

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(道の駅白川郷)

 この日メインの「世界遺産白川郷合掌造り集落」。
 合掌造りの建物が最も多く残る地域で、大小合わせて100棟余り。合掌集落の規模としては全国最大で、国の伝統的建造物群保存地区に選定されている。1995年に世界遺産登録。今も実生活の場として使われているところに価値があり、それが観光地化している他地域の合掌民家集落と違うところだ。

 せせらぎ公園駐車場から「であい橋」を渡った先はまるで異空間だ。
 最初に見たのは「明善寺鐘楼門(明善寺郷土館)」。全国でも珍しい茅葺の合掌造りの寺院。本堂は総檜造で、本堂・鐘楼門・庫裡の配置が美しい。鐘楼門は寄棟造2階建で、屋根は茅葺き。1階に板庇をつけた珍しい建物で、延べ1,425人を要して建てたと伝えられる。2階に吊り下げられる梵鐘は第二次大戦中に供出されたため、戦後に鋳造された鋳金工芸作家の中村義一(高岡市)の作とのこと。
 歩いているだけで次々と現れる合掌造りの建物には圧倒される。

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(駐車場から「であい橋」を渡って合掌造り集落へ)

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(明善寺鐘楼門)

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(歩いているだけで合掌造りの建物が次々に現れる)

 「長瀬家」。5階建ての合掌造り家屋で、白川郷でも最大級のもの。1階には500年前の作と伝わる荘厳な仏壇のほか、美術品・什器等を、また、3、4階には昔からの生活用具を展示しているという。
 「神田家」。完成までに約10年かかったという民家で、床下には焔硝をつくっていた場所があるらしい
 葺き替え中の民家があった。前に立っていたその家のおばさんと少し話すが、萱はだいたい30年で葺き替えが必要になるという。それは大変だし、たいそう金もかかりそうだ。
 「和田家」。荻町合掌集落の代表的家屋で、広い田んぼに囲まれている、江戸時代末期建造の桁行22.3m、梁間12.8mの最大級の合掌造り民家だ。江戸期には名主や番所役人を務める、白川郷の重要な現金収入源だった焔硝の取引によって栄えた家だという。

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(長瀬家)

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(神田家)

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(葺き替え中の民家)

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(和田家)

 集落を離れ、坂道を歩いて「城山天守閣展望台」へ。歩いて行ったのは失敗で、この道がけっこう長くてきつい。そのわりには見えた景色は集落から遠く、超望遠のレンズがなければあまり絵にならないのだった。
 集落から駐車場へと戻る途中、五平餅を買って食べてみた。うーむ、これが250円か。コンビニのアメリカンドック108円のほうがずっと価値があると思うぞ。
 駐車場戻りは14時半。

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(「城山天守閣展望台」から集落全体を眺める)

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