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   インパクト出版会  1,800円+税
   2019年5月28日 第1刷発行

 先の大戦中、灼熱の砂漠インドのデオリ収容所で、日本の敗戦も知らずに絶望的な日々を送っていた多くの日本人がいた。この中には運命に翻弄されながらも、ひたむきに生きた多くの愛の形があった…。戦後73年余、人間を信じることの素晴らしさと勇気を問いかける感動作、誕生!(コシマキから)

 沖縄出身の漁師・与那嶺亮太は、父親と兄が海で行方不明になり、一家を支えることになる。糸満漁師の下での厳しい漁師の修業を終え、漁業が盛んなシンガポールへ渡る。だが、第二次大戦が始まり、拘束された彼はインドの収容所に移送される。そこでは思いも寄らぬ出会いと別れが待っていて……。

 このところ次々に刊行されている大城貞俊作品の一つ。物語の舞台は、始まりこそやんばるや糸満ですが、その後はシンガポール、さらにはインドへと移っていきます。
 終戦後、フィリピン経由で沖縄へと戻るが、家族は殆んど残っていません。しかし、苦難を共に乗り越えた悲しい人たちは翻弄され続けた人生からまたも立ち上がっていきます。「海の太陽があれば、生きていけるな」と。
(2020.8.24 読)

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